二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ヘタリア】S e a r c h_.... ( No.148 )
- 日時: 2011/09/03 23:32
- 名前: レディグレイ (ID: wIulFSp9)
*痕跡*
・アーサーSIDEのまま
「・・・・ここ、が・・・・・」
旧校舎か・・・。
初めて見た・・・。
ボロイ。いろんなとこが錆びている。
俺はそんな旧校舎の前に、立ち尽くしていた。
そして、何かを感じ取った。
俺のこの目が、何かとてつもなく大きなナニカを、感じ取った、様な気がした。
たとえば、目に見えない何かだ。
「ふぅ・・・・・・・」
軽く深呼吸をし、まるで引き寄せられているかのように、俺は古い校舎へと足を踏み入れた。
一階のある教室をのぞく。
ホコリかぶった床。何故か所々ホコリがついてないところがある。
まだ真新しい何者かが通った跡、と見て間違いはないだろう。
でも本当にまさかクロムが?
その可能性は高くなってきた。
こつ、こつと静かに足音を立て、ゆっくり歩いていく。
*・アーサーSIDEいったんここまで
ピアノに合わせ、綺麗なメロディーとともにその歌声を添えていた真情が、ピタリと動きを止めた。
どうした?と尋ねる。
「・・・・誰かが、来た」
誰か・・?誰だよ、こんな旧校舎に・・・。
「誰かって、・・・・誰?」
「そんなの知らないよ。でも、なんか、・・・・・・なんていうんだろ。」
うーんと考えて、いいや、やっぱりやめ。と言う。
なんかってなんだ。
すごく気になる。
「あ、でも、これだけは言える。微かだけど、“魔力”?的な力を感じる」
的な力ってなんだよ、
と発する前に、シッと人差し指を口に当てられた。
それから小声で、
「・・・・・こっちに、来る・・・・」
と言った。
・アーサーSIDE再び←
進んでいくと、一室だけドアが開いている部屋が見えてきた。
文字が剥がれかけているが、一応読める。
「おんが、く・・しつ。音楽室?」
古いドアから、中をのぞく。
誰かいるかなんて、期待をしながら。
案の定。
誰かいた。
・・・・・わけではない。
「はは、だよな。まさかあいつがいるなんてこと、」
あるわけがない。
なんて、独り言。
でも、何故かそこにある古いグランドピアノのふたが、あいている。
それに、鍵盤にホコリがかぶってない。
もし以前使ったままずっとふたが開けっ放しだったなら、ホコリは積りに積もるだろう。
「・・・・」
誰かがいたような、痕跡。
不自然なその場の光景に、違和感を感じながら、俺は旧校舎を後にした。
*アーサーSIDE終わり。
「・・・・っはぁ、危なかったぁー!!」
会長さんが完全に去ったのを確認し、真情が声を漏らす。
いやもう本当に、危なかった・・・。
心臓とまるかと思った。
因みに、私たちが隠れていた場所は、カーテンの裏。
見つからなくてよかった・・。
「まさかこんなところに来るなんて、思ってなかった」
「だねぇ・・・。アーサー、だっけ。緑の眼の。」
真情は、何か思い当たる節があるかのように、うーんと悩んで見せた。
「・・・。魔力の源は、〝眼〟ってか?」
「あはは、そうだね、貴方と一緒の」
まぁでも、思い込みかも。
そう言って、にこりと微笑んだ。
「そうだ、クロムさ、生徒会室に戻ったほうがいいよ?」
え、なんで。
正直やだな。なんて。
「『はは、だよな。まさかあいつがいるなんてこと、』=クロムを探しに来たってこと」
あんまり質問攻めになりたくないんなら、今のうちに生徒会室に戻るのをお勧めするよ。アーサーより先にたどり着くのがベストだね。
と。
確かに、それもそうだね。
でも今から戻っても、会長さんより先につくなんて、
「大丈夫、私にまかせなさいっ!」
まるで、私の心を読んだかのように。
「私が、≪移動門≫を開いてあげる♪」