二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ヘタリア】S e a r c h_.... ( No.192 )
日時: 2011/09/13 23:34
名前: レディグレイ (ID: DnIooX..)

・短編
※耀さんとある女の人の話。



   *つばめ*



  ———燕子よ、

   どうか一つ  私の歌を聴いてください。
 
   愛しい人よ  どうか聞いてください。


   燕子よ————




「———其れは、耀さんのお国の歌、ですよね」

静かな部屋に、二人。
書類を書いていた一人の女性が、顔を上げて耀の方に目を向けた。

「そうあるね・・。いや、正確にはうちのとこのうたじゃねぇあるが・・」




『燕子』
この歌を歌うと、思い出す。

小さい時に、この女と出会った時のこと。


丁度五月の中旬で、たくさんのつばめが飛び交っていた。

懐かしい。
記憶の奥底にしまわれた、古い古い思い出。
小さいころの彼女は、今と変わらない笑顔で微笑んでいた。

月日が流れるにつれ、あまり会わなくなった。
今では、喋ることもめったに無いくらいだ。





「そういえば、」
「な、何あるか?」

「小さいころは、よく遊びましたよね。つばめがたくさん飛んでました。ちっちゃい耀さん、女の子みたいで可愛かったです」
さすがにもう忘れましたか?

そういった時の彼女は、何か失ったものを探すかのような、少し悲しげな微笑みで———。


「・・・・・・・覚えているあるよ、ぼんやりとは」



同じことを考えていた?
・・・・いや、心を読まれたのか?



「で、体のお堅い仙人になった耀さんは、今初恋でもしているのですか?」

その時の彼女の顔には、先ほどの悲しそうな笑みはもう消えて、代わりに、意地悪気に微笑む顔がそこにあった。

「はっ!?なんでそういうことになるあるか!!」
慌てて否定する。


「だって、突然『燕子』なんて歌いだすから・・・・」
「〜〜〜〜〜・・・」

・・・・・・はぁ。
と、片手で頭を抱える。



(ああ、全くこの女は。鋭いんだか、鈍いんだか。)



「図星ですか?ふふ、でもそういうのは、好きなお方の前で歌ったらどうです?」
笑顔の彼女を、横目でちらりと見る。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・もう、歌ったある」


(それとも、)


「ん?そうですか」


(最後まで、)


「で、お相手の反応は?」

「告白だとすら気づかれなかったある」


(ちゃんとお前の目を見て歌えば、)


「ははは、それはお気の毒です」


(お前は気づいてくれるのだろうか)


「でもまぁ、耀さんはそういうことを言うのが苦手でらしたものね・・・」


————どうか約束を忘れたり、心変わりをしないでください———


「だから歌なら、って思ったある」









   ———私はあなたのもの  貴方は私のつばめ———









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耀さんごめんよ!
とてつもなく意味不になりました!!
因みに、中国に燕子(つばめ)という歌があるんです。