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＊とりっくおあとりーと４＊


「おふっ」
もらったお菓子を食べながら歩いていると、唐突にドンっ、と何かにぶつかった。
振り返って見ると、キラキラの宝石をたくさん散りばめたような派手な・・・派手すぎるドレスの仮装をした女子生徒にぶつかったらしい。

「あらっ、ごめんなさいねぇクロム君」
顔を上げたその女子生徒は、なんか見たことあるような顔で。
ていうか香水くせぇ・・・。

確か同じクラスの人だったような。誰だったか、もう喉まで出かかっているのに名前が出てこない。

「こちらこそ、ぶつかってごめんな」
香水きついけど鼻をつまむわけにもいかないので、とりあえず苦笑いをしておく。

やべぇよ私。こういうタイプ一番苦手。
派手でお嬢様気取りのぶりっ子。

今心底この場を離れたいと思ってます。

「あ、そうえいばぁ、クロム君はもうパーティーのダンス相手、きまった？」
やめて！その話題持ち込むのやめて！ちょっとこの先の展開が読めてくるからやめて！

そして０．１秒後、私が最も言ってほしくないことを、言われたのだ。

「もしいなければ、私と一緒に踊ってくれないかしらぁ？」

・・・。

・・・。

・・・。



やだーーーーーーーーーーーっ！！！
すみませんが拒否らせてもらいます！！


私はすぐさまとても困ったような顔を作って、
「わ、わるい。俺さ、もう相手がいるから。」
と。

嘘を吐いた。

この場合はこうするしかないでしょ。

すると女子生徒は、なんというか、すごく残念そうな顔をして、去って行った。
え、なに、そんなにショックだったの？ごめんごめん。


あー・・でもほんと、ダンスの相手どうしよう・・・。