二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ヘタリア】S e a r c h_イラリク受付中! ( No.269 )
- 日時: 2011/12/04 22:16
- 名前: レディグレイ (ID: 3T8mb002)
- 参照: http://d.hatena.ne.jp/video/niconico/sm4848555
*とりっくおあとりーと8
「アン・ドゥ・トロア的な・・・」
「右・右・左・左・・・・前・後・前・前・前・・・・・む、むずい」
ヴァイオリンの演奏はとてもきれいだった。
たぶん弾いているのは、前に音楽室で会ったスプリングさんであろう。
綺麗な音色に合わせ、右右左左前後・・・・とステップを踏んでいくのだが。
ダンス経験のない私にとってそれはあまりにも、あまりにも・・・っ!!
難しかったよ。
はたから見てもボロボロだと思う。
それに比べて香はと言いますと。
私よりマシ。うん。そうだね。そうだよね。
考えてもみれば普通にわかるんですが、ちょっと忘れてただけなんですが、ここ、この学園って、かなりのお金持ちがたくさんいるっぽくて、
そしてら当然お坊ちゃんやお嬢さんもいるわけで、ダンス経験なくてもノリでなんとかなる・・・のかどうか知らないけど、経験ないなんてありえんくらい私よりマシな状態であった。
負けたよ香くん・・・。君ってたぶんどっかのお坊ちゃんかなんかだろ、だいたいこの学園にいる生徒の大半がそんな感じってきいたことあるしな。
「何、下向いてる的な」
「いえ、負けたなぁと思いまして、ね」
SIDE:香
本当に、なんとなくだけど。
少しずつお前に惹かれているのに気づいたんだ。
抱いたとき、心臓がドクンと波を打った気がした。
真っ赤になって怒ってる顔、悔しいけど、可愛いと思った。
でも、もしかしたら、もっとずっと前から。
・・・・言い訳はやめた。ずっと前からどころじゃないわ。
言いたい、言いたい、言えない。
そんなのわかってる。伝えたいけど伝えられない。
デジャヴだ。
辛い。苦しい。胸の奥が縮こまるような感じ。
デジャヴ。
(はぁ、まったく俺って・・・)
ほんと情けないと思う。
だって『また、お前を好きになる』なんて。
「おい・・・じゃなくて、ねえ、香、ダンス終わりましたよ?食事ですから、とりに行こ・・・行きましょう?」
んっとに。
「香?」
俺ってマジ馬鹿。
「ん、あー。そうする的な」
*
「そういえば、香はどうして旧校舎にいたんですか」
「今その質問をするんスか」
食事を食べ終わり、フリータイム的な?
みんなそれぞれ踊ったり、さわいだり。もちろん音楽は演奏されてたりする的な。
「いいから、答えて。」
「んー・・ん・・・と。たまたま、見つけた的な」
「本当に・・ですか?」
嘘。
ごめんと、心の中で謝る。
俺が来たときはみんなあの校舎を知っていたから。
「ホント。俺その時授業サボってぶらぶらしてたんすよ」
昔の記憶をたどっていく。
クロムが、じゃあ、と口を開いた。
「あの旧校舎のこと、何か知ってる?」
なんであの校舎を捨てて、新しい校舎を造ったんだと思う?
それはどことなく、真剣な瞳だった。
俺に何を求めているんだ。その答えか?
残念だけど。
「さぁ、俺にもマジさっぱり的な」
まだ教えられないんでね。
約束だから。