二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ヘタリア】S e a r c h_イラリク受付中! ( No.303 )
日時: 2011/12/24 16:39
名前: レディグレイ (ID: 9pyjQi2E)
参照: http://www.youtube.com/watch?v=ue1PFvhmR7k&feature=related

*学園祭ひゃっほう♪3 




———すれ違いは結局運命で




体育館中に響き渡る声、ギター、ドラムなどの音。
部多雨の上で歌う私たちは、明るいスポットライトに照らされて。
髪を下しているせいか首回りが暑かった。



———全ては筋書き通りだって



私、本当にバレてないのだろうかなんて不安になったりもしている。
実際、本番前にスプリングさんと目があった時、にこりと笑う、微笑みが、何もかもわかってるような、そんな感じの顔だったのだ。



———悲しみを紛らわせるほど   僕は強くないから


あっという間に、一曲、二曲目も歌い終えて。
その頃には最初少人数だった観客も、体育館いっぱいになっていた。


———弾き出した答えの全てが   一つ二つ犠牲を伴って

   また一歩踏み出す勇気を奪い取ってゆく



SIDE:N(←ナレーター的な)


「あ!もう発表始まってた!」

フェリシアーノがしまったという顔をした。
彼らが体育館についた頃はちょうど、二曲目の終わりごろ。

「おっ。軽音部って、可愛い子の集まりじゃないの」
舞台上の彼女らに目をやりながら、フランシスはにやけてた。

「ほんまやわぁ。かわええ子が歌うとるなぁ。」
アントーニョもそれを見ながら、ん?と心の隅で疑問を抱いた。

あの真ん中の子、どっかで見たことあるような・・・。

「なぁなぁ!俺様ちょっくら乱入してくるぜ!お前らもどうだ?ケセセっ」

乱入て。
まぁ待ったって。そう言って今にも舞台に突っ込んできそうなギルベルトを止める。
「ちぇ。なんだよアントーニョ」
「いやな、それより、あの子、どっかで見たことあらへん?」
「ん?なんだトーニョ、昔別れた彼女かなんか?」
「え、アントーニョ兄ちゃん彼女いたの!?」

「ちゃうて阿呆。彼女なんて居らんわ。」
誤解招くようなこと言わんといて。そういって、フランシスの頬をつまんでびぃと引っ張る。
「いだだだだ、ストップストップ!生まれてこの方彼女いないのがさみしいのは分かるけど———」
そこまで言われてもっと引っ張る力を強くする。
「ごめん、ごめんって、いたいっ痛いからっ、お兄さん泣いちゃうからっ離してっ」



———いつか君に捧げた歌   今じゃ哀しいだけの愛の歌

   風に吹かれ飛んでゆけ   僕らが出会えたあの夏の日まで




「それで?あの真ん中の子がなんだって?」
おーいたた。
すこし赤くなった頬をさすりながら、フランシスが言った。

「だーかーらぁ、」
もう一度さっき言ったことを言い直す。

「ん〜。そういわれてみれば、そんな感じもするけど。誰だろうね、」




———巡り会いも結局運命で   全ては筋書き通りだって
   
   都合良く考えられたら    寂しくはないのかな




本音を言うと、会長さんやトーニョは来てほしくなかった。
会長さんは何気勘が鋭そうだし、トーニョは一度、私の髪を下したところを見ている。バレる可能性が一番高い。



———弾き出した答えの全てが   一つ二つ矛盾を伴って

   向こう側へと続く道を消し去ってゆく



「「いつか君に捧げた歌   今じゃ哀しいだけの愛の歌
  風に吹かれ飛んでゆけ   僕らが出会えたあの夏の日まで 」」


さぁ三曲目もいよいよ終盤。




「やぁ『会長さん』?聴きに来てたんだね」
「その呼び方やめろよ。」
「クロムの真似してみたんだぞ」
アルフレッドはアーサーの横に並んだ。

それっきり、アーサーは黙った。
ただ舞台を見つめて。

「アーサー?」
「・・・あいつ、ハロウィンの時にあったやつだ・・・」
ポツリとつぶやいた。
「へ?」












「過去も未来も無くなれば   僕も自由に飛び立てるかな 」

「感情一つ消せるのなら   「好き」を消せば楽になれるかな 」





クロムがこの学園に転校してきて数か月。

出会いと、出会いと、別れと。
謎と、謎と、真実と。

物語はその先へと進行する—————

















———君の耳を、目を、心を 通り抜けたモノ全てを


いつか知ることが出来たら 次はちゃんと君を愛せるかな