二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ヘタリア】S e a r c h_イラリク受付中! ( No.345 )
- 日時: 2012/01/04 11:31
- 名前: レディグレイ (ID: 9pyjQi2E)
*新年あけまして、大ピンチ。3
「・・・こう暗いと何も見えない・・あだっ」
木の枝に引っ掛かった。
夜で、しかも空は曇ってて、よっぽど目がよくないとあたりは見えない。
月明かりなんてものは雲の隙間から射してもくれない。
暗い。
街中からドがつく田舎にいきなり転送された感覚。
というか、この暗さに単に目が慣れていないだけだけど。
メールには続きがあった。
『Help.』とそれから、地図。
その地図に従って歩いてきてみれば、こんな森の中だ。
ていうかなんで私はこんなことをやっているのか。
ほおっておけばいいものを。
「クロムちゃん、あそこ・・・」
なぁなぁと声のする方をたどってトーニョのいるであろう位置を見る。
「あそこ、なんか建っとらへん?」
「あそこ・・?」
言われた方向に目を向ける。
ああ、ほんとだ。家、だろうか。そんな感じのものが建っている。(仮に家としておこう)
だいぶ暗いのにも慣れてきたし。
「地図、ちょっと出してくれへん?」
「ん。」
地図を覗き込む。
目的地の赤い印と、あの家の場所が一致している。
「・・・・・あそこだ」
「・・・・・・あそこが、誘拐犯の家なん?」
まだ決まったわけじゃないけどな。
物陰に身をひそめて、1分くらい様子をうかがう。
コンクリートの塀に蔓がからまっていて、いろいろな雑草や草木でぼさぼさしている。
「・・・不気味やんなぁ」
そう呟かれたほんの十秒後、パッとその家にあった車のライトがついた。
そして、エンジン音。
車が動き出して——
「こっ、こっちくる・・!?」
気づかれたか。
「トーニョっ、そっちに逃げろっ」
言って、木々の中に身をひそめる。
車は、私たちが来た方向へ走って行った。
こちらに追ってはこなかった。
ということは、
気づかれてはいなかった。と思う。
「・・・なんやったん・・・あの車。」
「・・ん?ちょっと待った。あの車に乗っていたのは誰」
おそらく、あの家の住人かと・・・。
「・・・ということは、家には誰もいない?はず」
「クロムちゃん?」
「よし、乗り込もう」
心底、マジで?と言う顔をされた瞬間だった。