二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ヘタリア】S e a r c h_イラリク受付中! ( No.362 )
- 日時: 2012/01/09 09:58
- 名前: レディグレイ (ID: 9pyjQi2E)
*新年あけまして、大ピンチ。7
「・・・で、これからどうするんだ?」
「決まってるやない。ここを、出るんや」
「でもどうやって・・・?」
さっき聞いたところ、玄関のドアはすごく厳重にロックされていたみたいだし・・・
「この家、な。実は裏口があるんだ。鍵はかかっていなかったはずだ。」
「本当!?」
いやだから、なんで会長さんがそんなことを知っているんだ。
「で、その裏口とやらはどこにあるん?」
「確か、一階の廊下の一番奥・・・だった」
「ここ、二階なんですけど」
「・・・・・・慎重に行くしかあらへんな」
きぃ・・・・きぃ・・・・
階段を下りるだけで床の音が絶えない。
しょうがないといえばそれまでなのだが。・・・・バレて、いないのだろうかと心配になる。
でも、それとは別に、一階の、まさに私たちが向かおうとしている当たりからドン、ドンと何かをたたいているような音も聞こえる。
あいかわらず頭は痛かった。
キンキンするし、おまけに寒い。
風邪でも引いたかな。
ていうか今日はもう1月1日だし・・。
まだ真っ暗だけど。
やっとのことで一階に下りた。
会長さんが指をさす方向に向かえばいいのだが、その方向はドン、ドンと音のする方向。
「・・・・」
ていうか、音は、すぐそこの開いているドアの部屋からだった。
ドア開いてるし。
でもここを通らなければ裏口にはたどり着けない。
会長さんがまず、ドアの前を通る。
・・・・大丈夫。気づかれていない。
次に、トーニョ。
・・・・・こちらも大丈夫。
よし、次は私。
素早く・・・静かに、
あともう少しでそちら側に行ける。
という時に、ちらりと横目で、部屋の中を見た。
「・・・・・・・・・・・・・ひっ」
ぐちゃり。
一瞬、体のすべての機能がダウンしたかのように思えた。
呼吸が止まる。
誘拐犯らしき奴が、手に大きな包丁みたいなのを持って、何かを・・・・こう、叩いていたというか・・・。
包丁も手も、そしてその何かも、血まみれだった。
嫌な音が響く。
間違いない、こんなところにいたらいつか殺されてしまう。
あれでは誘拐犯ではなく殺人犯だ。
さて、無事に部屋の前を通れたわけだが・・・。
すぐそこに裏口があるという。
暗くて見えにくいが。
「俺がドアを開ける。合図したら、一気に走れよ。」
「お前に指図されなくてもわかっとるわ、眉毛野郎」
小声で口喧嘩もそのへんにしろよ。いや、して下さい頼むから。
目指すは、裏口のみ。
「いくぞ。」
ふぅ。深呼吸。
「1(ONE),2(TWO),3(THREE),GO!!」
「よしゃっ」
小声での合図と応答。
GO.と言われた瞬間、一気に走る。
会長さんがドアノブに手をかけて、ドアを思いっきり押す———
カチャ。
「———へ!?」
「ふごっ・・・なんや眉毛、止まんなや!」
「どうしたんだ・・?」
カチャ、カチャ。
カチャカチャカチャカチャ・・・・・・。
「・・・・・あ。開かない・・・」
「・・・・嘘やろ!?」
「・・でも、さっきは鍵はかかってないはずだって・・」
そんな。
「じゃあ、どうす———う゛ぁっ・・・・!!」
言葉を言い終わる前に、後頭部に衝撃。
あまりに突然すぎて痛みは感じない。
そのまま後ろに倒れ————
「クロム!!」
「クロムちゃん!!・・・・なんやお前、クロムちゃんに何したん!!」
ぼんやりとそんな声が聞こえてくる。
意識が、遠のいた。
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まだ序の口。