二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ヘタリア】S e a r c h_イラリク受付中! ( No.399 )
- 日時: 2012/02/18 22:37
- 名前: レディグレイ (ID: 9pyjQi2E)
*新年あけまして、大ピンチ。12
———————————————碧の瞳の破壊兵器
その正体は未だ完全には改名されてはいない。
それを創ったもの以外、誰にも。
彼女(それ)の名は 『殺戮の女王《レーヌ・ミシェル》』
彼女が表舞台に出ていたのは、ほんの数年の話。
当時、証拠不十分な事件が連続して起きた。
例えば、大量の虐殺事件なんかは月に一、二回のペースで起き、街中を騒がせた。
被害者の年齢、性別は不特定。
一晩のうちに何百人という人間が、あるいはその類が、殺されたのだ。
警察が発見した時にはもう、被害者は見るも無残な姿で転がっていたという。
結局、彼女を創ったものも、彼女自身もつかまりましなかった。
これだけのことをしたのに、彼女の姿は誰も見ていないという。
そして事件の真相も、謎のままだった。
その世界の歴史に残るほど有名になった多数の事件をまとめて『殺戮の悲劇』と呼んでやる。
けれど突然、事件は嵐が去ったかのように起きなくなった。
何故なら彼女は、その世界から行方をくらましたから。
「————と、これが、『彼女』が一番初めにいた処での事実。でしょう?カノン」
「・・・・よく、調べたね。だいたいあっているよ。」
「まぁそれから、次に『彼女』がいた世界で、『彼女』は何らかの方法で自分の記憶を消した。カノンと『彼女』が会う前に。」
「おー、すごい。そんなことまでわかってたの?」
「私たちをあまり甘く見ないで。でも調べるにはかなり時間がかかった。」
「ふんふん、それで?」
「少し話が変わるけど、私が今一番言いたいのは、」
アリスは、タロットカードを並べながら言う。
ひらり、カードを一枚めくって。
「今『彼女』と一緒居る誘拐事件の犯人が、危ないな、ってこと」
そのカードを見たアリスは、顔色一つ変えなかった。
同じく、カノンも。
「で、場所は?」
冷静にカノンが聞く。
今アリスがした占いの意味が、わかっていたから。
「本当にカノンは話が早い。場所は、—————」
*
———クロムトルマリンによく似た碧の眼。
とても綺麗だと君は笑っていた。
俺と同じ碧の眼だと、君は笑っていた。
ああ、ちょっとストップ、ストップ。
どういうこと?なんだか混乱してきた。
私が、碧の目だって?
それなら話がおかしい。
だって私は、蒼の目で—————————
「うぁあ゛っ!!」
「———っ!!」
今の声で、朦朧とした意識が吹っ飛んだ。
一気に目が覚めた。
それと同時に、とてつもない怒りが込み上げてきた。
間違いのない古い臓器と血の匂いに混じって、真新しい匂いの鮮やかな紅が飛び散る瞬間を、私は見た。
どさり。
目の前で、崩れ落ちるのを見ていたら、気が気じゃなくなった。
声も出ないくらいに。
「お、おい!!カリエド!!!」
隣で大きく目を見開く会長さんが怒鳴るように叫んだのが、しっかり耳に残っていた。
目の裏が熱くなって、無意識に手をぐっと握りしめていた。
爪が食い込んで血がにじみ出る。
でもそんなのは、気にしなかった。気にならなかった。
まるで自分が自分じゃないかのようだった。