二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ヘタリア】S e a r c h_イラリク受付中! ( No.400 )
- 日時: 2012/02/21 21:19
- 名前: レディグレイ (ID: qBHvelZ4)
*新年あけまして、大ピンチ。13
「あっ、」
少し重めの衝突音。ドン、とぶつかって弾き返される。
「すみません、急いでたもので」
少女が顔を上げると鋭い赤紫の瞳が睨みつけていた(ふうに見えた)。
「いってぇ。・・・おう、別に大丈夫だけどよ」
その青年は言った。
「そう。怪我がなくてよかったです。では」
本当にそう思っているのか、そいうぐらい軽く言って少女はその場を去ろうとする。
「おーいギルー、どうかしたかー?」
その時のことだった。向こうの方から声がして、振り向けば金髪の青年が手を振っていた。
そして徐々にこちらへ歩いてくる。
「あ、フランシス。なんでもねぇよー!」
「あれ、ギルその女の子どうしたのさ」
「いや、ちょっとぶつかっちまって」
「ふぅん。君、可愛いね。よかったらこの後お兄さんとお茶でもしない?」
君みたいなかわいい子は大歓迎!
とフランシスは言った。
「はぁ・・・。私急いでるんですけど。」
「それは残念。って、君よく見たらついこの間学園に来た転校生ちゃん?」
「おー!本当だ。お前あれだろ、えーと、ルッツが言ってた、んー・・名前は確か、カノン?だっけか?」
「はあ。そうだけど何か?」
「あ、そうだ。茶髪でなんかぽわぽわした奴見なかったか?アントーニョって言うんだけどよ」
「そうそう。昨日あたりから携帯も出ないし行方が掴めずじまいでね。んで今朝、あいつの部屋に行ったら誰もいなかったの。同僚のクロムちゃんもいなかったなぁ」
少女、カノンは「クロム」の名前にぴくりと反応する。
「・・・そう。・・・ねぇ、お願いがあるんですけど、私を手伝ってくれません?丁度人手が足りなくて」
その言葉にクエスチョンを浮かべる二人を無視して話を続けるカノン。
「今からきっかり5分後に警察呼んで。これ、地図です。あまりややこしいことにしたくはないから出来れば二人とも私についてきてほしんだけど。」
どう?と聞き返せば顔を見合わせるギルベルトとフランシス。
「いや、どうって言われても・・・。現に俺らはアントーニョを探してるわけだし」
「ん〜。お兄さんはいいよ。カノンちゃんみたいなかわいい子の頼みなら何でも」
「うん、有難う。たぶんだけど、そのアントーニョも私の目的地にいると思う。」
あ、えっと、質問は受け付けないから。何も聞かないで。
と言うふうに目で言うカノンにさらに二人はクエスチョンマークを増やす。
『危ないのは捕まっている「彼女」ではなくて、誘拐犯の方。』
先ほどアリスに言われた言葉が頭を過る。
『ぐずぐずしていないで早く行きなよ。
もし、なんらかのトラブルで彼女の力が発動してみるとする。そうすれば「彼女」はまた破壊兵器に逆戻り。
そうならないために貴方がいるんでしょう?』
(んなことわーってるっつーの)
頭の中で愚痴をこぼして先を急ぐカノン。
後の二人はカノンの姿を追いかけるのが精いっぱいの様子。
理由はもちろん、カノンの足が速いからなのだが。