二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ヘタリア】S e a r c h_イラリク受付中! ( No.404 )
日時: 2012/02/29 22:21
名前: レディグレイ (ID: qBHvelZ4)

*新年あけまして、大ピンチ。14


「・・・その気持ち、わからないでもないよ。でも、ね」



まさに、ギリギリセーフとはこのことを言うんだと改めて思った。
自分が来るのがあと0.1秒でも遅れていればそれは確実に『彼女』に殺されていただろう。


ゆっくり歩いて、『彼女』に近づく。



「貴方は本当にそれでいいの?」



ぱっ、と掴んでいた手が離されソレがどさりと重い音を立てて固い地面に落ちる。
気を失ったのか、ピクリとも動かなかったがたぶん死んでいないから大丈夫。

『彼女』の凍った蒼い目が、私を見た。
血だらけの顔。


「今は眠って」


私は悲しく微笑んで、『彼女』に手をかざせばフッと気を失ったように倒れる。
それを腕で軽く受け止める。


「それから、またはじめればいいから・・・」

小さく小さく呟く。







「にしてもこれは・・・酷いね。腕が両方とも折れてるし足も・・・・・・」
とても立ってはいられないだろうに。

よくここまでもったものだ、本当に。


そしてカノンは、ここへ来て初めて壁に張り付いている二人に目を向ける。


「さて、と。そこの二人、動けますか?」


今起きたことに驚いて声も出ないのだろう、首を横に振った。

てか首は振れるのかよ。

「うん、私の予想通り。貴方たちも眠って。もうすぐ助けが来るから」


『彼女』にしたのと同じように、二人にも手をかざす。
すると二人は眠ってしまった。


「あと3分ってところかな・・・」















「うわっ、な、な、なにこれ・・・!アーサーにアントーニョ!?それに、カノンちゃんが抱えてるのクロムちゃん、だよな・・・?」

「うげぇえええなんだ此処、死体のやまじゃねぇか・・・」

「まさか、ここって・・・」

「そう。最近騒がれていた誘拐犯・・・ちがうか、殺人犯の家っていうか、そんな感じのところ」

恐る恐る尋ねるフランシスにカノンはさらりと答える。


ぴゃぁぁっ


「お、おいちゃんと今まで行方不明だった15人分の手足があるぞ・・・」
「ナニソレ!!ギルちゃん数えたの!?」

「うーん、あともう少しで警察が来るからそろそろここを出ないとめんどいことになるよ。ほら、そこの二人かついできてくれない?」


謎に謎が積もる。
もう頭の中は謎だらけ。・・・というフランシスとギルベルト。
今はただカノンの言葉に従った。










「ん・・・あ・・?ここは?」
「よーう、アーサー。起きた?てか起き上がれる?」

起きたというかなんというか、吹っ飛ばされていた意識がやっと戻ってきたような感じだ。

マジで。なんか川が見えた気がした。

「フラン・・シス?なんでここにいるんだよ・・・。あと起き上がるのは無理だ」
体のそこらじゅうが痛いからな。

言いながら、頑張って体を起こそうとするがやっぱりむりだった。

「なんでって、酷いなぁ。お兄さんわざわざ死にかけてたお前を運んできてやったんだよ。・・あ、無理なのね。だってさ、カノンちゃん」

「あー、はい。ってちょ、何やってんの!無理に起き上がろうとしないで!応急処置しかしてないんだから!」

「おーい、川の水汲んできたぜー!」
「おー・・・ギル。また帰りが遅いと思ったら。そのドラム缶どうしたの?」

ギルベルトが持ってきたのはドラム缶(錆びてる)いっぱいに入った水。

「なんかその辺に落ちてたんだよ。これ、水運ぶのに便利だろ!」
ケセセセ。

「あ、それ、水はその辺に置いておいて・・・。うぃっと、あ、大成功♪」
「え、今何したの?」

カノンの手元にあった薪にはいつの間にか火がついていた。
ぽっと薄暗いあたりが明るくなる。


「火をつけただけだよ。それより、アーサー・・だっけ?まだ安静にしてて。てか動くな。そっちの二人はまだ起きない・・・か」

「んぁ・・・・・・いやいや、俺起きとるで。今起きたわ・・・。なんか体あちこち痛ったいわぁ・・・」
「お!起きたかアントーニョ!!」
「ギルちゃん・・・?・・どこや、ここ」

「ここは学園から一番離れた森の中。だと思うけど・・・」

「一番離れた!?初耳だぞ」

「その声は眉毛!?なんでおるんや・・・」

「うんうん二人とも。それだけ喋れたら上等だね。ったく、お前ら運んでくるの大変だったんだぞ血だらけで。おかげでお兄さんの服にも血がべっとり・・・」
ほらみて!

そんな勢いでフランシスが自分のコートを見せる。

「ていうか何があったんだよ一体。そんな血だらけで」
「・・・とにかくいろいろあったんだよ」
「せや!!クロムちゃんは・・?クロムちゃん、俺らよりようけ怪我しとるから!!」

慌てた様子でアントーニョが起き上がろうとする。

「ストップ。まだ起き上がらないでよ。クロムは大丈夫だよ」

カノンはものすごく冷静に答える。
そしてなぜか説得力のある解答だった。

だから、その言葉にほっとする。



「——で、今夜なんだけどギルベルトとフランシスの体力が持ちそうなら少ししたら学園に帰るつもりなんですけど」


「「え、俺ら?」」























中途半端サーセン
このシリーズ的なの次がその次くらいで終わると思います。