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※本編


＊宿題なんて知らん


「なんか記憶が飛んでる気がする」

冬休みもそろそろ終盤。
いろいろあったがとりあえず今は元気だ。

殺人犯に捕まっていたこともあって、12月31日と1月1日の記憶があやふやだ。

それになんだか日がたつにつれどんどん記憶が薄れていっているきがする。


・・・まぁ、真情の仕業だというのはなんとなくわかるが。
あいつ私たちの体に何したんだまったく。


「せやなぁ・・・。俺もなんか何があったかよう覚えとらへんわ・・・」

傷の方はよくなり、トーニョも大丈夫そうだ。

「あーーーー。それより、どないしよ。俺な、まだ宿題が———」
「え、あったの宿題！！？」

トーニョが言い終わる前に遮った。

は？
宿題なんてあったの？
冬休みに？？

「・・・やっべぇ、手、付けてない・・・」
「あーあ。俺もやけどかなりの量あった気ぃするで」

「あああああああ」

と、意味のない声を上げ、脱力する。

ずしり。
肩が一気に重くなった。


「因みに学校、明日からやで」


死んだーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー！！！



＊



「どこ行くんクロムちゃん！？宿題は・・・」

知らない！！
知らないよそんなもの。
今日だけは譲りたくない用事があるんだからな。
宿題なんて学校でやるもんだろ、な！

「諦めた！それにもう間に合わないと思うから俺は出かける」

「あ、ちょお！！」
待ったってー！

という声も聞かずに、私は寮を出た。


手には藍色の本を持って。

「それにしてもこの表紙の花・・・何て花だっけ・・・。見たことあるような」
ないような。

それにこの本は白紙。
ページをめくれど白紙白紙白紙・・・。

行きついた最後のページには表紙にあった花に蔓と葉っぱが付け加えられたなにやら印みたいな模様。

そして一番下に、

「〝Somnus humo. Etiam hodie...〟・・・どういう意味だろ。読めん」

英語ではない、と思うが。




＊




「なるほど、宿題は諦めたわけね」
「おい私まだ何も言ってないぞ」

ここは旧校舎音楽室。

ピアノにもたれかかった真情は、ま、そんなことはどうでもいいけど。と軽く言った。


そうだね、その通り。
この際宿題なんてどうでもいい。あとから何とでもなる。

「はぁぁ・・・それよりさぁ、クロムがin bed中のときも一応旧校舎来てたんだよ。でも進展なし」

私的に、その本が何か関係してそうだなぁとは思うんだけどね。

と付けたし、私の持っていた藍色の本をいつの間にか自分の手に持ってペラペラめくっていた。

「今何が起きた」

一応ツッコんでおく。

「んーーー・・・・・・・・・・・ん！？ちょっと、クロム来て！！」
ページをめくっていた手を止める。

てかかる〜くスルーされた。
さすが真情と言ったところだろうか。

「———え」

本を覗き込む。


え。嘘。


そこには、白紙だったはずのそのページには、恐らく旧校舎の地図らしきものが描かれていた。