二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ヘタリア】S e a r c h 企画オリキャラ募集中 ( No.485 )
- 日時: 2012/06/30 15:37
- 名前: レディグレイ (ID: R9wydAGD)
*野外学習へGO!2
「みんなくじ引いた?」
「引いたー」
日本に到着してからバスで本館まで移動する(バスはクラスに一台)。
その間に、またレクがあるのだ。
・・・バスレクが、「王様ゲーム」とか。
定番なのかそうでないのかわかんないけど。
※王様ゲームとは、ランダムに決まった「王様」が出した命令(罰ゲーム)を、ランダムに決まった参加者が行うレクリエーションである。
まぁみんな知ってるよねw
いや、そんなことより。
私は眠いんだ。
めっちゃ眠い。
寝たい。・・・・寝かせて。
さっき寝れなかったんだから・・・。
「あ、私王様だ!」
女子が声を上げた。
・・・この可愛い声は確かルナだ。
「えっと・・・じゃあ、12番の人が25番の人にひざまくら!」
あれ?私何番だっけ。
自分のくじを見てみると、そこにはネームペンで12番と書いてあった。
「・・・・・・・マジか。あ、俺12番・・・。」
「あ〜、俺25番だよー。」
25番と名乗り上げたのはフェリシアーノ。
「えーと、この場合俺がいどうすればいいんだよねー」
うん。バスの中だからね・・・。
座席移動させなきゃひざまくらとか無理だ。
どこかから、「なんだー男同士かー」とか「つまんないのー」と言う声が聞こえてくる。
・・・いや、実際違うんだけどね。
私男じゃないからね。
言うわけにはいかないけど。
「ヴェ〜。お邪魔しまーす。」
「・・・ん」
フェリが膝の上に乗る。
「やったー。俺寝れるー!」
うわ、いいな。
逆がよかった。逆。
そのポジション変わってくれ頼む。
・・・・眠い。
「失礼ながらフェリシアーノ君。ご感想をどうぞ」
「えー?うーんと、すっごくふにふにー!」
なんだそれ。太ってるって言いたいの?
ヴェー、とフェリがなく。
それから、
「・・・」
急に黙って、真剣な顔になった。
「・・・?どした」
「・・・んーん。・・・でも、こうして見てるとクロム、女の子見たい」
「へ!?」
周りが少しざわつき始めたころフェリが小さく言った。
もしかしたらそれは、とても小さな声だったのかもしれない。
周りの人やすぐそこにいる菊でさえ聞こえていなかったのだろう、何の反応もしていない。
でも、
フェリのその言葉は私の耳にしっかり残った。
・・・もしかして、バレてる?
いや、でもそんなはずはない。髪の毛もしばっているし、胸にタオルまいてるし、なにより女子の時の格好はフェリには見られていないはず。
・・・・・・・たぶん大丈夫だよ・・・な。
本館に着くまでの間、王様ゲームのほかにイントロクイズやいつどこゲームをして過ごした。
*
「うわ・・・」
すごく古そうな建物が目の前にある。
たぶん木で出来ているだろう。
見た目四階建てで1フロアに部屋が8個・・・だろうか。
言葉に表せない何かがあの建物を覆っているような、そんな感じ。
なんか、怖い。
「クロムさん・・・?どうしたんですか?みなさん行っちゃいますよ」
「・・・あ、うん」
少し先を歩いている菊に小走りで近づく。
「なぁ、・・・あそこって何?」
「・・・あの建物ですか?」
こくりと頷く。
菊は少し黙った。
「・・・・あそこは、もう廃墟になった病院・・・です。前にちらっとテレビで見たんですがね、あそこ実は————」
「やぁ菊にクロムちゃん。何の話してるの?お兄さんも混ぜて☆」
最後まで言い切る前に、フランシスがわいてでてきた。
「どっから沸いたんですかフランシスさん」
「えー?お兄さんは菊ちゃんが呼んでくれるならいつでもどこでも・・・」
「やめてください気持ち悪い」
「・・・・」
「酷いわ!クロムちゃんまで!そんな目で見ないでっ」
いや、でも、だって。
・・・ねぇ?
「何やっとんねんフラン」
「あ、トーニョ・・・」
「おー、クロムちゃんに菊ちゃん。」
トーニョはクラスの列を外れたフランシスを連れ戻しに来たんだとか。
「でも戻るのめんどいし一緒にいこか〜」
「軽いな」
「ですね」
それから少しして本館に着いたが、中に入る前に夕食を作るらしい。
*
夕食は野外学習の定番、カレー。飯盒炊爨。
二時くらいからみんなで作り始めて何故か四時くらいに完成するカレー。
異様に時間がかかるのがおきまりだ。
そして絶対カレーの中には必ずと言っていいほど燃やした新聞の灰などがはいる。
「ぎゃああああっ!!ちょ、うちわ!うちわで風送りすぎだってば!」
「やっちまったんだぜ☆」
「やっちまったんだぜじゃないってーの!」
「サンサルくん灰がカレーに・・・」
「気にしない気にしない。あっちよりはひどくないんだぜ?」
私と、サンサルと、ルナでかま担当なんだけど・・・
火力の加減って難しい。
「うわっ!?ナニアレ!?人体錬成!?」
「けほっ・・・・あれはきっとアーサーさんだよ・・・」
私たちの道を挟んで隣のかまが、すごいことになっていた。
紫色の煙がもんもんとあがり、ぐつぐつと黒っぽい、なにやら得体のしれないものが煮えている。
気持ち悪い目玉やタコの手や髪の毛や・・・あの鍋の中にはいっているよくわからないものがうごうごしている。
それはまさに地獄絵図。
「な?」
自信ありげにサンサルが言う。
「「・・・・うん」」
その通りだった。
結局そのあとクラス同士でカレーを分け合って食べた。