二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン 〜神童拓人 双子の弟〜 ( No.2 )
- 日時: 2011/08/19 12:51
- 名前: 流翠 ◆JwI8YyfJDc (ID: UE6W7gUy)
—第一話—
セミの鳴き声が聞こえる夏頃、雷門中のグラウンドでは、少年たちの楽しそうな声が聞こえていた。
「キャプテン! シュートお願いします!」
茶色の髪が、そよ風にあおられるように、爽やかな印象を持つこの少年は、松風天馬。
「フォルテシモ!!」
彼が叫ぶと、ボールの回りには音符が弾けるように飛び交い、
そのままゴールへ突き進んでいった。
彼の名前は、神童拓人。現在、雷門中のキャプテンであり、
みんなからは、「神のタクト」と呼ばれる、天才ゲームメイカーである。
シュートは最後に進路方向を変え、ゴールに入る。
雷門中守護神の三国太一はシュートに反応できなかった。
「いやぁ、やられたな」
少し落ち込みながらも、ボールを抱える。
「じゃあ、少し休憩するか」
サッカー部の部員達は、嬉しそうにベンチへ駆け込む。
天馬は自分の水筒をとると、いきおいよく水を飲む。
「俺、ちょっと走ってこようかな。動いてないと後で疲れるからなぁ」
天馬は独り言のように呟いた。しかし、それに拓人も反応した。
「天馬、俺も付き合うよ」
それと同時に、天馬の横にいた少し背が低い少年も反応する。
「じゃあ、僕も!」
この少年は、西園信助。背は低いが、それはジャンプ力でカバーする。
「じゃあ、行こうか!」
3人は走り出した。
「まったくよくやるよなぁ」
三国はあきれ顔で言った。
同じく、グラウンドの外では1人の少年があきれ顔をしていた。
ボールを見事に操りながら。
雷門のユニフォームは来ておらず、紫色のマントをつけていた。
彼は剣城京介。フィフスセクターからのシードだ。
剣城は突如、ボールを足で地面に押さえつけた。
そして地面に押さえつけられた、ボールを見つめる。
「……誰だ」
後ろからの視線を感じたのか、剣城は喋りかけた。
両手をポケットの中に入れてからもう1度言った。
「……誰だ」
今度は言った後に、後ろを振り返った。
そこに立っていたのは————
神童拓人……!?