二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 〜神童はシード!? 【剣城 vs 紫闇】更新〜 イナズマGO ( No.46 )
日時: 2011/08/22 17:47
名前: 流翠 ◆JwI8YyfJDc (ID: UE6W7gUy)
参照: 後半、短いのは……(ジャッジ)スルー!!

   —第十話—










拓人が紫闇の方へ歩いてくる。


 「ありがとな、紫闇」


拓人はにっこり微笑む。服は少し汚れている。


 「どうして……。どうしてありがとう、なんだ?」


紫闇は複雑な気持ちになる。

雷門メンバーが、ほとんど自分のせいでボロボロになっているのに。

何故————










ありがとう!?

拓人は紫闇の瞳を見て話す。


 「お前が、俺に蹴らなかったからさ。どうせ、フィフスセクターに

   何か言われてるんだろ?」


拓人は真剣だった。

紫闇も拓人の瞳を見つめる。


 「俺の仲間が傷付いたのは許さない。でも、それは命令なんだろ?」


紫闇は泣き出しそうになった。

拓人が、兄が、こんなに優しいなんて。

紫闇は自分のしたことを顧みる。

















紫闇の先輩、後輩、同級生の身体が傷付いている。

どれも、どれも、






























————自分のせいで。







でも、紫闇に傷付けられたメンバーは、もう紫闇を敵対していなかった。

みんな、優しい眼差しで紫闇を見つめる。

紫闇の瞳から、1滴の涙が流れた。


 「ほんとに、本当にぃ」


紫闇は1回、涙を拭く。そしてまた喋りだした。


 「ごぉめんなさぁい!」


同時に、涙を流したので上手く話せなかった。

そこへ円堂が寄り添い、紫闇の肩をポンッ、と叩いた。


 「次の決勝戦、お前の本当のサッカーを見せてくれ」


紫闇は顔を上げる。

そして大きくうなずいた。






























試合校を出た後、紫闇は呼び出されていた。







————フィフスセクターに。