二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【銀魂】真選組女中ですけど。【参照600超え…だと…!?】  ( No.149 )
日時: 2011/08/25 22:50
名前: いちか ◆iK/S6sZnHA (ID: H4NN94uP)

「トシ、総悟と鈴ちゃんがウンコしに行くっつったきり全然戻らんのだが」
「あの野郎共…やっぱりサボって祭りに行ってやがんな」
「トシ、他の誰を疑おうとかまわんが仲間を疑うことは俺が許さん。俺は二人を信じる。
 きっとウンコのキレがものすごく悪いんだ、俺はそう信じたい!」
「そんな信じ方される位なら疑われた方がマシだと思うがな……」


42)はしゃぎすぎるとコケるから気をつけようね。


「高杉晋助…」
「ククッ、俺の名前を知ってるのか? こんなガキにも覚えられるようになったとは皮肉だなァ」

“特に人気の無いところには行かない方がいい。死にたくなければな”

嗚呼、桂さんが言ったのはこういう意味だったのか。
あの時はよく分からなかったけど、今分かった。

「あは…。ですね、じゃ、私はこれで…」

何とも分かり易い作り笑いを浮かべ、
ベンチから腰を上げた、その瞬間。

「!」

首に、ヒヤリとした金属の感触。
……刀……斬られる。

「てめェ真選組の奴だろ? 見たぜ、一緒にいるとこをなァ」
「……」

沖田さんのことか。
つか、マジで斬られる! 死ぬ!

「あ、あの、」

私は震える声を抑えてすぐ背後の高杉さんに呟く。

「何だ」
「その…私を斬るおつもりですか」
「斬る。…と言ったらどうするんだ?」

んだァァもうビックリさせんなよ!
斬る、から妙に間空けるからマジかよとか思ったよ!

「…いや、どうもこうも。潔く斬られるしか無いですね」
「……」
「(何この沈黙。)でももしアレだったら…焼きそばあげるんで、見逃s」
「いらねェ。全然潔くねェじゃねーか」
「ですよね、すみません潔くなかったです」

なんだよ、焼きそば嫌いか?
イカ焼きだったら胃の中ですけど…


「…死にたくないか?」

…は?
何だその質問。
そりゃ誰だって死にたくないに決まってんだろ!
だから命乞いにと焼きそばを……

「そりゃあ私まだ若いから…」
「ククッ…そうか。…これから面白ェことが起きる」
「…?」
「幕府の犬は苦戦することになるだろうなァ」

……何を話しているんだこの人は。
高杉さんにとっての面白いことは、私たちにとっての悪いこと…

「そんな中、てめェも戦って来い。幕府の犬と」
「…え?」

それは、真選組を裏切れと?
敵側に付け、と?

馬鹿言うなよ。

それにどっちみち死亡フラグじゃねーか。
YESて言ってもこんな私じゃ1秒でやられるに決まってるし、
NOと言ったら高杉様に斬られるんでございましょう?

「…そんなんなら、私は今ここで貴方に斬られます」
「どっちみち死ぬんだったら仲間の介錯で死にたくねェのか?」
「自分の不注意で介錯されるのと、仲間を裏切って介錯されるのとは全く別ですから」

例えあっちが私のことを信じていなくとも、
私はあっちのことを信じてる。それで良い。

「追い詰められても最後まで裏切らない…か」

高杉さんがそう呟いた瞬間。

黒い夜空に、色とりどりの大輪の華が咲いた。

…綺麗。
こんな状況でも、素直に感情が出てしまう。

「…始まったか」

不意に高杉さんが呟く。
…? 花火?
危険な攘夷志士でも花火を心待ちにしてたのかな。
いや、でも、違う。(この人の笑みは、)

すると。

—ドォォォン!!

花火ではない爆発音が私の耳を劈いた。
空じゃない、櫓の方だ。

「…高杉さッ、」

振り返ったときには、その男の姿はもう無かった。

…首にあったはずの刀の感触も気付けば感じなくなっていた。
見逃してくれた、のかな。


「…突っ立ってる場合じゃない!」


私は、爆発音のした櫓の方へと走っていった。