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「かいとーふんどしかめん…?」

おま、またそういう事件かよ。


45)パンツだがふんどしだか知らねェけど盗むんなら買え！


とある日の朝。
何故か土方さんの部屋に呼ばれた私と沖田さんは、
重い腰を上げて土方さんの部屋へと足を運んでいた。

新聞を広げると、大きく取り上げられた一つの記事。
“またも出没!!　怪盗ふんどし仮面”
……
この前の真選組ふんどし盗難事件は猫ちゃんの仕業だったけど、
今度は生身の人間が起こした下着ドロが巷を騒がせているらしい。

「何なんですかね沖田さん、最近下着ドロが流行ってるんですか?」
「さぁねィ。真っ赤なふんどしを頭にかぶって、ブリーフ一丁で闇をかける。
　そんでもって娘の下着ばっか盗ってはモテねェ男にバラまいてるらしいですぜ」

な!　なんて卑劣な!
てか、またもってことは前々から被害に遭ってるんだよね…あれ?

「沖田さん、私のは全く盗まれてません。納得できません」
「十分納得できまさァ。もこもこのうさちゃんパンツなんて誰が盗むんでィ」
「何で知ってんですか!?」

そうこうしてるうちに副長室に着いて。

「土方さん、入りやすぜ」
「おう」

沖田さんが一声かけると、中から土方さんの声がした。
…にしても、何かいつにも増してドスのきいた声じゃありませんこと?

沖田さんの後に続いて部屋に入ると。

「…」
「…土方さん?」

部屋で一人胡坐をかき、俯く土方さんがどんな表情をしているのかは解らなかった。
だが、その土方さんの前に置かれた一枚のパンツを見れば何となく感じ取られる。

「いい歳こいて何下着ドロなんてやってんですかィひじかｔ」
「俺じゃねェよ」
「…じゃ、もらったんですか、土方さん」

怪盗ふんどし仮面から、パンツを。

…あれ、土方さんってモテない側だっけ。
いやモテるよ。この人モテるよ?
モテるのは見た目だけで中身はモテないけどモテるよ?








(　ん?　あれ…でもそのパンツ……　)