二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【銀魂】真選組女中ですけど。【参照700…あれ、800?】 ( No.203 )
日時: 2011/08/25 22:55
名前: いちか ◆iK/S6sZnHA (ID: H4NN94uP)


「お待たせしました、らくがきオムライスでございますッ」

客(ご主人様)のテーブルに綺麗なハート型のオムライスを置き、片手にケチャップ。
くそ、マジで何描こう……


53)人間誰だって黒歴史くらいある。


「えーっと…ご主人様、何か描いてほしいものはございますか?」
「すずちゃんに任せる☆」

うわうっぜェェ! ☆つけんな!
おまかせってのが一番嫌いなんだよ…ほんとに何でもいいんだな? 棒人間でもいいのか?
いやでも流石にこれも営業…手抜いちゃダメだ。

ようしッ!!

私は自分に渇を入れると、オムライスを見つめた。


 - - -


「できたァ!」

ふぉ! これは力作!

「…えっと、これは…牛?」
「え!? ちち違いますよー、猫ちゃんですよ!」
「あっ、だよね〜やっぱ猫かァ」

あれ、何かめっちゃ客に気使ってもらってる気がする。
ていうか、え? これ猫だよね? どこが牛だよオイ。

てめェの目は節穴ですかコノヤロー。

「…あっ」

そうだ、

「この料理がもッッと美味しくなるように、私がおまじないをかけてあげますね!」

これは鉄則だったんだ。


「萌え萌え……」

大丈夫だ鈴、恥ずかしくないこれは恥じるべきことではない。
こんなの誰だってやるってかむしろ流行るんじゃね? うん流行る流行る。
いややっぱ流行んねーよ。

「きゅうんッ!!」

目をギュッと瞑り、手で作ったハートを思い切りオムライスに突き出した。

…ふ、ふー。
何か絶妙なやり切った感が……

垂れてもいない額の汗を拭いながら瞑っていた目を開けると。


「…」


さっきまでのデブで何か色々カオスだった客がいなくなっていて、
代わりに……

「何で?」


土方さんがドン引きした表情で座っていた。
ドン引きすんなよ! 私だって嫌だったよ! けど頑張ったんだよ!

見ると土方さんの隣にカオスな客がいて、何か土方さんに怒っている。

「何してるんだよお前! せっかくメイドさんに愛込めしてもらってたのに…」
「あァ? メイドだァ? こいつは真選組の女中だ」

土方さんはカオスな客に睨みを効かせる。

いやいやいや。
確かにそうですけど。
今は、ね。メイドなんですよ一応。

「な…何のおつもりでいやがりますか、ご主人様?」
「何だよその引きつった笑顔。それでも笑ってるつもりかっての。ほら、帰るぞ」
「いや、何のことをおっしゃっていられるのか…」

自分でも分かるくらいに引きつった笑顔を見せていた私は、
後ろにいたドス黒い影には気付かなくて。

「カチューシャもーらい」
「うわ!?」

ひょい、と何とも軽々しくフリルをふんだんにあしらったカチューシャを沖田さんに取られる。

「ちょッ…何してくれやがってんですか、止めて下さい」
「こんな甘ったるいもん、野生人の鈴には似合いやせんぜ」
「誰が野生人だコラ」

何だよそのカチューシャ似合そうな顔立ちしやがってコノヤロー。

「髪の毛まで妙に整っちゃって…0号、オシャレしたかったんなら俺に言えばよかったんでさァ。
 ちゃんとてめェに似合いそうな服買ってきてやるのに。白装束とかゴリラの着ぐるみとか」

そう言って折角しょこらちゃんに整えてもらった髪の毛を引っ張られたりしてボサボサにされる。
ちくしょー、容赦ねェなお主。

ていうか私に似合いそうな服が白装束ってどゆこと? 死ねってか?



 ***


「鈴ぅー、ホントにもう帰っちゃうのー?」
「うん…ごめんね、迷惑かけただけだったよね、ホントごめん」
「ううん、鈴意外と人気あったっぽいよ〜。だから残念だな」
「意外? 意外ってどゆこと?」

私は名残惜しくもしょこらちゃんとさよならして、
外で待つ真選組のパトカーへと足を運ばせた。