二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【銀魂】真選組女中ですけど。【参照900? マジでか】 ( No.204 )
日時: 2011/08/26 16:03
名前: いちか ◆iK/S6sZnHA (ID: H4NN94uP)



「ったく…何で来たんですか」


54)十人十色。


「ま、近藤さん。後でゆっくりお話致しましょうか」
「ゆっくり話されんのはてめェだ。帰ったら覚えとけよ」

助手席に座る近藤さんに向けてそう言うと、
隣で車内にも関わらずタバコを吸う土方さんにぶっきら棒に言い返される。

「ていうか何でメイド喫茶で働いちゃダメなんですか?」
「普通に考えろ。女中と言えど真選組の人間があんな所で働いたら真選組の名誉が汚れる」
「言うほどメイド喫茶は悪いところではないです」

元々ゴリラストーカーのせいで不名誉なんじゃないんですか?

「しかし鈴があんなことするたァ、写真撮っとけばよかったな」

もう片方の隣に座る沖田さんは若干棒読みで意味不明なことを言い出した。

「…あんなこと?」
「何だったけ、萌え萌えきゅん、っての。それを土方さんに向かってしたんだから爆笑もんでさァ」
「あッあれは土方さんに向けてじゃなくてオムライスに向けて…! つか爆笑って何?」

一生懸命だったんだよ私は。



ん? あッ…ザキさんいたんだ。
いや誰が運転してるのかなと思って…
てかザキさん喋った?



 ***



「で? 反省の言葉は」
「……誠に申し訳ありません。今後このような真似は致しません故、お許し下さい」
「よろしい」

やがて、土方さんの部屋で30分程説教をくらい、
最後に私の反省で終わった。

部屋を後にした私は、ケロリと立ち直って隣の局長室へと向かった。


「こんどーさん」
「あ、鈴ちゃん」
「用は分かってますよね? 何でバラしたんですか」
「いや、これにはふか〜いワケがあってだな…ま、座って聞いてくれ」

深いワケ、ねェ。


・・・
近藤さんの話によると、

私が土方さんの注意を逸らして逃げてから近藤さんは5分間くらいずっと問い詰められていたらしい。短かいな。
だけど全く喋ろうとしない近藤さん。
土方さんも疲れてきた時に、タイミング悪く沖田さんの姿が。
土方さんがワケを説明し、沖田さんも知りたくなって二人で近藤さんを問い詰めたという。
だけど変に粘り強いのが近藤さん。この時までホントに言わなかったんだって。

でも、沖田さんが「ゴリラの丸焼きでもしやしょうか」と言って焚き火の準備がされた途端、
命が惜しくなった近藤さんはバラした……という。


「それが真選組局長かよ」
「すまない! 丸焼きにはされたくなくて…」
「別に私は近藤さんが丸焼きになろうが構わなかったんですけどね。焼かれればバラせることもないし」
「あれ? 酷くない?」

ま、終わったことにネチネチと因縁付けても無駄なんで。
私は立ち上がり、近藤さんに一礼して部屋を出た。



 - - -

厨房に入ると、中川さん(女中)がおたま片手に私に話しかけてきた。

「あ、鈴ちゃんどこ行ってたのー? 今日のお昼ご飯は鈴ちゃんが担当なのよ!」
「そうでしたっけ、すみません」

えへへ、と笑って甚平の袖が邪魔にならないようにタスキをかけ、お昼ごはんを作り始める。



真選組女中、楠木鈴。
また忙しくなりそうです。