二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【銀魂】真選組女中ですけど。【質問コーナー設置!】 ( No.215 )
日時: 2011/08/28 13:20
名前: いちか ◆iK/S6sZnHA (ID: H4NN94uP)



「あ、」
「ん。ザキさんじゃないですか。…どうしました?」
「鈴ちゃんも聞かない?」
「…何を?」


55)獅子舞ってどんなのだっけ。


「…あれは、今日みたいに蚊がたくさん飛んでる暑い夜だったねェ…
 俺友達と一緒に花火やってたら、いつの間にか辺りが真っ暗になっちゃって。
 いけね、母ちゃんにぶっ飛ばされるッてんで、帰ることになったわけ」

……こんばんわ、えと、楠木鈴です。
なんかザキさんに誘われて、霊感が強いらしい稲山さんの怪談話を隊士みんな集まって聞いてる最中です。

「それでね、散らかった花火片付けてフッと寺子屋の方見たの…
 そしたらさ、もう真夜中だよ? そんな時間にさァ、寺子屋の窓から、赤い着物の女がこっち見てんの」

……ひいィィィイィもう嫌だもう止めて。
稲山さんの喋り方が奇妙なせいもあってか、段々と冷や汗が垂れてくる。

「俺もギョッとしちゃって、でも恐る恐る聞いてみたの。
 何やってるの?こんな時間にって…。
 そしたらその女、ニヤッと笑ってさ……、」


「 マヨネーズが足りないんだけどォォォ!! 」


うわァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!(←みんなの叫び声)


暗かった部屋の電気をつけ、せっかくのオチを邪魔された隊士は
片手になんか黄色いのがたっぷり乗ってる焼きそば(?)を持った土方さんに文句を言う。

「知るか、マヨネーズが切れたんだよ。買っとけって言っただろ鈴」
「言ってませんよ」

何その黄色いやつ。気持ち悪いな。
全然足りてんじゃねーか。


「…局長ッ?」

一人の隊士の声で、皆マヨ男から近藤さんの方を向いた。
見ると、近藤さんは泡を吹いて倒れていた。

「局長ォォォォ!!」


 ***


「ったく、これだからマヨ厨は……」

渋々言いながらも、たまたま冷蔵庫の裏にあったマヨネーズを
土方さんに持っていってあげてる私ってどうよ、優しくないですか。

「ていうかマジで蚊多いな…死ね!」

パチン、と頬に止まった蚊を叩く。ちくしょー、痛い。


「……ん?」

誰だあれ、沖田さん?
なんか白装束着て頭にロウソク3本くらいつけてますけど…沖田さん?

「…何やってんですか」
「…ッ! …何だ、鈴か。見ての通りでさァ」
「え、呪ってんの? 怖ッ」

1本の木には盗撮した模様の土方さんの写真が貼ってあるワラ人形に、釘が打ち込まれている。
そして沖田さんの両手には五寸釘と金槌。

「折角だから教えてやりまさァ。いいか、ただ打つだけじゃダメなんでィ。ちゃんと呪いを声に出して…」

と、その瞬間。
ひらり、と沖田さんの懐から落ちてきた一枚の写真。

「沖田さん、落ちましたよ」
「あ」

拾って見てみると。
…………

「私?」

え? 誰これ私だよね?

「私も呪おうと思ってたんですか」
「いや、土方のヤローが鈴の写真欲しいって言うもんだから」
「何そのバレバレな嘘止めてください! ホントだとしても気持ち悪いしさ! ね、呪おうとしたでしょ? ねぇ!」

沖田さんに突っかかろうとした時。
ガラリと土方さんの部屋の戸が開いた。

ささっと沖田さんは五寸釘と金槌を後ろに隠し、
私も何故か反射的にマヨネーズと自分の写真を隠してしまった。

「…何してんだてめェら、こんな時間に」
「ジョ…ジョギング」
「ラ…ランニング」

あ、何か私まで嘘ついちゃった。

「嘘つくんじゃねェ! 総悟てめェそんな格好で走ったら頭火だるまにならァ!
 儀式だろ! 俺を抹殺する儀式を開いていただろォ!!」
「わ、私は違いますよ土方さん! 私はですね、マヨネーズの方を…」
「あっテメ鈴、何抜け駆けしようとしてんでィ」
「別に抜け駆けじゃないし、どっちかといったら私土方さん側だし(呪われてる的な意味で)」

ぐだぐだと白装束の沖田さんと言い合っていると、

「ッ!!」

不意に土方さんが遠くの方を見て目を見開いた。

「…どうしたんでィ、土方さん」
「おい、今あそこに何か見えなかったか」

向こうの屋根の方…?
何もいないじゃん。

「何も見えないですけど」
「確かに今……」

土方さんが目を細めたとき、


「 アアアァァァァァァァァァ!!! 」


「「「!?」」」


屯所のどこかから、
誰かの悲鳴が聞こえた。