二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【銀魂】真選組女中ですけど。【質問コーナー設置!】 ( No.225 )
日時: 2011/08/29 21:40
名前: いちか ◆iK/S6sZnHA (ID: H4NN94uP)


「水水! タオルタオル!」

朝からなんでこんなに動き回らなきゃ…チクショー!


56)お茶っ葉入れすぎるときってあるよね。


「町田さん、大丈夫ですか?」
「ん…村田、なんだけどな…」

私は町田さんの額に水に濡らしたタオル(ちゃんと絞ったよ!)を乗せる。
そんな町田さんを見て、土方さんは溜め息をついた。

「なんだ、村田は熱まで出しやがったのか」
「はい。…しかし不思議ですね、18人もの隊士さんが倒れちゃうなんて」
「ったく、幽霊にやられたなんて冗談じゃねェぞ」

あれから、隊士の半分が幽霊にやられて寝込んでしまうという事態が起きた。
中には村田…あれ、町田?さんのように熱まで出す人もいる。


 ***


部屋を移動した土方さんと沖田さん、近藤さん。
私は町田さんなど熱にうなされている人の看病を済ますと、
沖田さんにお茶を頼まれていたのに気付き、急いでお茶を淹れにいった。

 - - -

「どーぞ」
「ん。…皆うわ言のように、赤い着物を着た女と言ってるんですが…稲山さんが話してた怪談のあれかな」

お茶を出して退散しようと思ったところに、
沖田さんが私も気になっていることを喋りだし、足を止めた。

「馬鹿野郎。幽霊なんざいてたまるか」

沖田さんの向かいのテーブルに座る土方さんは、タバコをくわえながらそう言う。

「鈴、これ薄い」
「すみません私お茶は薄めが好きなんで。…土方さん、幽霊怖いんですか?」
「なッ…別にそんなんじゃねェよ」

誤魔化すように口からタバコの煙を吐き出す土方さんは、どこか怪しげだったけど…
まぁ、触れないでおいてあげよう。

「鈴ちゃんも気をつけた方がいいぞ、この屋敷は呪われてるに違いないからな」

そう、縁側に座る近藤さんは珍しく(?)真剣だった。
呪われてるなんて、そんな馬鹿な……
なんて笑い飛ばせる余地、実はないんだけど。うん、怖いんです。

苦笑した、その時。


「局長、連れて来ました」
「おぉ、ご苦労」

廊下からザキさんの声。
誰を連れて来たのかと、ちょこんと顔を出した。

「町で探してきました、拝み屋です」

拝み屋……

てゆーか怪しッ!
目の部分以外の顔全部包帯を巻き、笠をかぶった男と、
中国風の衣装を身に纏い、丸いグラサンをかけている女の子(?)と、
鼻眼鏡の地味そうな男。


「何だこいつら、サーカスでもやんのか?」
「木下ですかね、ボリショイですかね」
「いや、クーザだろ」

あ、そうだクーザがあったか。
さすが土方さん、やられた。

「いやあの、サーカスじゃないからね? 霊を祓ってもらおうと思ってな」

近藤さんの言葉に、土方さんは顔を歪ませた。

「おいおい、冗談だろ、こんな胡散臭い連中」

確かに胡散臭い…マジで拝み屋なのかな。
霊なんて祓えんのかな。

「何とかなりませんかね先生。これじゃあ怖くて一人で厠にも行けません」

近藤さんはすっかり信じ込んじゃっているみたいだ。
まぁ現に私も一人でトイレ行くのは怖いってゆーか…うん怖い。


—とりあえず、拝み屋は手始めに屯所内を見回ることとなった。