二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【銀魂】真選組女中ですけど。【質問コーナー設置!】 ( No.230 )
- 日時: 2011/08/31 18:34
- 名前: いちか ◆iK/S6sZnHA (ID: H4NN94uP)
「ギャアアアアアアアアア!!」
あ、また叫び声。
58)未知の世界に飛び込んでみたい。
「今のって…近藤さん、ですよね?」
ついさっき神楽ちゃんに付いてもらいトイレに行った近藤さん。
また、幽霊が……?
- - -
「神楽、どうした!?」
トイレの扉の前に立つ神楽ちゃんに、銀さんが問う。
「チャックに皮が挟まったアル」
「あ?」
一応ここ男子トイレなもんで。
足を踏み入れようか踏み入れまいかで悩んでいると、
後から走ってきた土方さんにぶつかって、おっとっとなんて思っているときにはもう足を踏み入れていた。
「どけどけェェェ!!」
バンッ、と扉を蹴り飛ばす土方さん。
あんた蹴り飛ばすの好きね。そうやって襖も蹴り飛ばして私を下敷きにしたでしょう。
まぁそんなことは今どうでもよくて。
個室の中を見ると。
便器に頭から突っ込んでいる近藤さんの姿が。
あれ、逆じゃね?
「…なんでそうなるの」
銀さんの呟きなんて聞こえなかった。
***
「どうぞ沖田さん、タオルです。これで近藤さんの汗ふいたって下さい」
「何で俺が。てめーがやれよ」
「チッ」
——近藤さんまで赤い着物を着た女を見てしまった。
あれから何とか救出して布団に寝かせたが、
さっきから赤い着物を着た女だとか何とかうなされている。
近藤さんの汗を拭くのは無駄に塩分が多そうだから嫌なので
タオルを顔にかぶせとくだけにしておき、新八くんの言葉に耳を傾ける。
「…やっぱり、幽霊なんですかね」
「あァ? 俺はなァ、幽霊なんて非科学的なもンは信じねェ。ムー大陸はあると信じてるがな」
銀さんは溜め息交じりにそういうと、スッと立ち上がった。
「付き合いきれねェや。帰るぞ」
「…あの、銀さん」
「んァ?」
「この手はなんですか」
…神楽ちゃんと新八くんの手を取りながら。
「何って、てめーらが怖いと思って握ってやってんだろーが」
「銀ちゃんの手汗ばんでて気持ち悪いアル」
「何言って…」
あれ、もしかして銀さん。
「あ、赤い着物の女」
沖田さんが銀さんの背後を指差しながら言ったその瞬間。
バリッと押入れの戸ににどでかい穴を空けて中に縮こまる銀さん。
「何やってんですか」
「え? や、ムー大陸の入り口が…」
入り口だか出口だか知らんけど修理代払えよコノヤロー。
「土方さん、もしかしてこいつ…」
沖田さんは土方さんを見やるが、そこに土方さんの姿はない。
上半身をでっかい壷に突っ込んでいた。
「土方さん? どうしたんですか」
「あ? あー…マヨネーズ王国の入り口が…」
・・・。
「…沖田さん」
「ダメですねィこいつら」
「少し見損ないました」
「ムー大陸でもマヨネーズ王国でもどこにでも行けヨ糞が」
「「なんだその蔑んだ目は!」」
私、沖田さん、新八くん、神楽ちゃんが二人に冷たい視線を送った、その瞬間。
「「「「!!」」」」
え、や、ちょ。
こ、こここここれは……
土方さんと銀さんの後ろにある、押入れの隙間から。
赤い着物の女…
「…沖田さん」
「逃げるのが一番だな」
沖田さんの言葉を最後に、私たちはバタバタと部屋から走り去る。
——それから5秒も経たぬうちに、物凄い勢いで二人が走ってきた。
「ちょ、あれっ、ちょ! しょってる! 新八くん、霊しょってんよあの二人!!」
「うわァァァこっち来るなァァァ!!」
「てゆーか沖田さん、アンタ何で逃げてんですか! 敵前逃亡は士道不覚悟で切腹ですよ!」
「あんなの俺の敵じゃねーやィ」
ああそうですか、
霊なんざ赤子の手首を捻るも同然なんですね。
なんだ、閻魔レベルでやっと敵といえんのかコラ!