二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【銀魂】真選組女中ですけど。【質問コーナー設置!】 ( No.232 )
日時: 2011/08/31 21:19
名前: いちか ◆iK/S6sZnHA (ID: H4NN94uP)



遠くで、土方さんと銀さんの叫び声が聞こえた。
あぁ、あの二人と最後に会話したのいつだっけ…さようなら。


59)親しい人のキャラ崩壊が一番怖い。


「やられた…今度こそやられた…」

倉庫なう。
霊(を背負った土方さんと銀さん)から必死に逃げ、
薄暗い倉庫の中で新八くんは頭をかかえていた。

「シメたぜ。これで副長の座は俺のもんだ」
「言ってる場合か!」

なに無駄にいい瞳してんだこんな時に。

「おい、誰か明かり持ってねーかィ?」
「蚊取り線香がありますよ」
「ん、じゃあそれで」

沖田さんはライターで蚊取り線香に火をつける。
その横で新八くんはずっと頭を抱えている。なんだ、君も案外ビビりなんじゃないのかい?

「しかし何で私がこんな目に合わんといかんかなー」
「鈴は日頃の行いが悪ィから」
「それ自分も含めちゃってんよ?」

それに私日頃いい子だもん。頑張ってるもん。
沖田さんみたいにサボったりしてな…あ昨日こっそりサンデー読んでたわ。
だからっていって…、

「ギャーーーーーーッッ!!」

…何?

「どうした新八くん。可哀想に泣いちゃって」
「ととととりあえずすんません! マジですんませェェん!!」

志村新八くんはどうしたのだろうか。
一人で「すみません」連呼しながら扉に向かってひたすら土下座している。
かと思いきや、いきなり目を吊り上げて、

「てめーらも謝れコノヤロー!」

神楽ちゃんと沖田さんの頭を掴み、思い切り地面に押し付ける。
幸い私は新八くんの隣にいなかったためこんな真似はされていないが。

「心から頭下げれば、どんな奴でも心通じんだバカヤロー!! あのホント靴の裏も舐めますんで!」

容赦なくガンガンと二人の頭を打ち付ける新八くん自身が、霊にとりつかれたようだった。
つーかマジで何に対して謝ってんの?
頭を下げている先の扉を見るものの、何の影すら見えない。

「あのー…新八くん」
「僕なんか食べてもおいしくないよ! 僕なんか食べてもおいしくないよ! 僕なんか、」
「聞けよオイ。メガネ踏み潰すぞ」
「僕なんか……え?」

我に帰った様子のメガネ。
何今の、ほんとに新八くん?

「いない……」
「元から何もいないよ。何があったの」
「でも確かにさっきまでいたんですよ、霊が!」
「ふーん…」

もう霊よりさっきの新八くんのが違う意味で怖かったよ。

「でも何で…」

そう呟いて、新八くんは蚊取り線香に目をやった。

「まさか…!」


新八くんのメガネが、
ギラリと光った(ような気がした)。