二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【銀魂】真選組女中ですけど。【ギャグ99%】 ( No.290 )
日時: 2011/09/23 14:39
名前: いちか ◆iK/S6sZnHA (ID: kVKlosoT)



「…銀さん? あの、依頼しといて何ですけど…それでホントにいけるんですか?」
「まかせとけ。きっといけるさ」


73)根拠のない自信は持つな。


待つこと10分。道の向こうから車の走る音が聞こえてきた。
おそらくパトロール中の真選組のパトカーだろうと、銀時らは電柱の陰に潜む。

「オイ山崎くん。パトカーには誰が乗ってる」
「えっと…運転席に副長、助手席に局長です」
「ゴリラはいるんだな。よし、そうとなりゃこっちのもンだ」

そう言って、銀時は余裕の笑みを浮かべる。
段々と走行音が近づいてくるのを感じ、絶妙なタイミングを図って、


——飛び出した。


「「うおォォォォォォ!!?」」

土方は電柱から飛び出た影に気付き、咄嗟にブレーキを踏んだが間に合わず。
ドンッ、という鈍い音と共に轢いてしまった。

すぐに二人は車から出て轢いてしまった影に近寄る。
だが、その影の正体を目にした土方は

「…何だこれ」

と、呟きを漏らした。

猫のような着ぐるみを身にまとったどでかい誰か。明らか不審者だ。
だが不審者とはいえ轢いてしまったのは事実である。
とりあえず生死を確認することにした。

「おい、大丈夫か……」
「大丈夫なわけねーだろコノヤロー! 軽く轢いてくれるだけでいいんだよ軽くぅ! 何思い切り轢いてくれちゃってんの!」

いきなり起き上がった着ぐるみ野郎は、頭から血を垂れ流しながら目の前の土方に怒り叫んだ。


「銀んんんんん! しっかりするネ銀! お前は車に轢かれて死ぬような猫じゃないヨ!」

そんな猫の着ぐるみに駆け寄ってきた少女…神楽は、着ぐるみに抱きつくなりわんわんと嘆く。
そして耳元で、銀ちゃん何やってるネ。怒ってる場合じゃないヨ、演技しなきゃ演技。と囁いた。

そう、これは一つの作戦だった。





「車に轢かれた猫(銀さん)を、飼い主の女の子(神楽ちゃん)が泣きながら抱きしめて…っていう、涙を誘う作戦らしいです。
 いくら猫嫌いな人でも、こんな場面をみたら猫なんて嫌いだなんて言えなくなるだろって…」
「いや、涙も何も。あっちは轢いた側だからね? 泣いてる場合じゃないでしょ普通」

一部始終を陰で見守る新八、鈴、山崎(そして鈴虎)。
何をするのかと思えば、と鈴はただ溜め息をつくばかりだった。

「あれ、でも見て下さい。近藤さん——」

新八の言葉に、近藤の方を見やると。


「うっ…うおォォっ、トシ、俺たちは…俺たちはッ……何てことを……!! グスッ」



「泣いてるゥゥ! 何あれ泣いちゃってるよ!」
「成功なのか? 成功なのかこれ!?」