二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【銀魂】真選組女中ですけど。【ギャグ99%】 ( No.300 )
日時: 2011/09/27 20:41
名前: いちか ◆iK/S6sZnHA (ID: kVKlosoT)



「やっぱりダメ!」


おい、このゴリラシメていい?


75)男に二言は…なかったはず。


鈴虎に額を引っかかれた近藤さん。
一旦銀さんたちと別れて、治療するべく屯所へ帰ったのだが。

額に絆創膏貼った近藤さんは仏頂面で、やっぱりダメなんて言い出した。

「何でですか! さっきは良いって言ってくれたじゃないですか!」
「引っかかれたからダメ! トラウマなったからダメ!」
「鈴虎はウマじゃないですネコです! トラネコです!」
「そういう意味じゃないよ!?」

おいおい何だよコノヤロー。
ちょっと(いや傷は深そう)引っかかれたからって何だよ。
つーか近藤さん治療すんなら銀さんの方が大事だっただろ。
車に撥ねられたんだよアレ。


 ***


「だーッもう! 自分がデコ出ししてるから悪いんじゃないの!?」

いっつも朝日のようにキラキラさせやがって!
いっそハゲろ!

局長室を出た私は、廊下をドンドンと踏み鳴らしながら歩く。
すると、前方から沖田さんの姿が。
頭のアイマスクからして、サボり中なのだろう。

「よお鈴。猫はどうなったんでィ」
「結局ダメですよ。何で分かってくれないかなぁ、こんなに可愛いのに! ねぇ沖田さん」

今度は鈴虎を沖田さんの顔に突きつけたりしない。
別に引っかくのは鈴虎の勝手だけど、相手が相手だからね。

「もう諦めなせェ。こいつだってテメーに飼われちゃ可哀想だろィ」
「どういう意味ですかそれ」
「そのまんまの意味でさァ」

無表情の沖田さんは、そう言いながら鈴虎の頭を撫でる。

「沖田さん気付いてますか? この子、あの時の猫の子どもだと思います」
「あの時?」
「ほら、皆さんのパンツが盗まれたっていう事件あったじゃないですか」

そう言うと、沖田さんは何となく思い出したような素振りを見せた。
結局パンツを盗んだ犯人はお父さん猫で。その猫の柄が多分トラだった。
でもそのお父さん猫がこの鈴虎っていうのは違うかな。この子はまだ子猫だし。
…とすれば、鈴虎はその子どもっていう、予想…なんですけど。

「じゃー親とか他の兄弟もいるんじゃないんですかィ?」
「確か…あの縁側の、床下」


 - - -



「…いませんね」
「いねェな」

他人から見たら、大層変な二人と思われるだろう。
私と沖田さんは、鈴虎の家族が住んでいた縁側の床下を覗いていた。
だが、見渡しても猫らしい影は見当たらなかった。

「でもこれ見ろィ」

沖田さんが、床下に手を突っ込んで引っ張りだした物。
ほとんど擦り切れている、白い木綿の布だった。

「…ふんどし、ですか?」
「多分な。…他の兄弟もこいつも、もう自立したのかもしれねェや」
「自立…。確かにもう歩けるまで成長してますもんね」

動物の成長って早いもんなぁ。
…代わりに死んじゃうのも早いけど。

「他の子たちは別の場所へ行ったのに、鈴虎は残ってるってことは…屯所に住みたいってことですよね?」
「ただ面倒臭いだけだろィ。最近の物件は高ェし」
「ンな現実的なこと考えねーだろ」





( 近藤さんが頷くまで絶対諦めないから )