二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【銀魂】真選組女中ですけど。【ギャグ99%】 ( No.331 )
日時: 2011/10/13 23:55
名前: いちか ◆iK/S6sZnHA (ID: rjNBQ1VC)



「おい、知ってるか? 今日新しい女中が来るんだってさ」
「知ってる知ってる。結構美人らしいぜ、楽しみだよな」


朝、すれ違った平隊士の会話が耳に入る。
新しい女中が、来るって??



83)人間はみんな噂好き。



「近藤さ………あれ、いない」

新しい女中が来ると聞いて、局長室に飛んできたのに。
ほら、こういうのって大体近藤さんのとこにいくのが一番っしょ?

そう思った結果、いなかった。

「何だよ、どこに行きやがったコノヤロー」

朝っぱらからストーキングか? 懲りないねェ。
まぁいいや、帰ってきた時に聞けばいっか。
くるりと後ろを向いて、素直に仕事を始めようとした時…彼はいた。


「おはよーございます、土方さんかよ」
「かよってどういう意味だコラ。俺じゃいけねーってのか」

いや、別にダメなわけ………
ないよ、うん。ないじゃん。
局長がいないなら副長に聞けばいいんだよ。

「全ッ然いいです。ウェルカムです。というわけで教えてください」
「何をだよ。主語を言え主語を」
「新しい女中さんのことです」

すると、土方さんはハァと溜め息をついた。

「もう出回ってやがんのか」
「新しい女中=私の後輩じゃないですかー。可愛い後輩は何処に?」
「言っておくが、お前より年上だぞ」
「マジでか」



 ***


 パンパン、ビリィッ!


「あ、破れちゃった。しかもまたザキさんのだし…」

まぁいっか。と言おうとするのを飲み込んで、辺りをキョロキョロ見回す。
え? 何してんだって、決まってるじゃないか。
ザキさんがいるかいないか探してるんですよ。
この前と同様、本人の前でまぁいっかなんで漏らしたら可哀想でしょ。

…よし、いない。

「まぁいっかー、ザキさんのだ……」

物干し竿の方に向き直り、破れたシャツを干そうとした瞬間。

「鈴ちゃん」
「しイィィィィィィィィ!!?」

反射的に後ろに下がった。
うわービックリしたァァ!!
何で物干し竿越しにザキさんがいるんだよ! 怖ェーよ!!

「一体何なの? 俺のシャツを破るのが好きなの? イジメなの?」
「なのなのうるせー! ワザとやったわけじゃないですー」
「でも俺のシャツばっか破るよね鈴ちゃん」
「や、この間原田さんのパンツ破っちゃいました」

そう、君だけじゃないんだよザキ。
だから安心して。


「あ、そういえば新しい女中さんが来るって聞きました?」
「やっぱ話変えるんだね。…うん、そのことなら隊士間で結構持ちきりの話題だよ」
「美人らしいってすれ違った隊士さんも言ってましたし」
「そうそう。うちには年配の人と女の子だけど女の子っぽくない鈴ちゃんしかいないから皆すごく楽しみにしてるよ」
「何でそれを本人の前で言うの?」

こう見えて結構ガラスのハートなんだからな!
ていうかそれ言った奴誰だ、メシ抜きにしてやる。

「で、その女中いつ頃来るか分かる?」
「あ、はい。朝に土方さんから聞いたんですけど…そろそろ来る頃だと思います」


そう言った刹那。



「鈴ちゃん、こんなところにいたのか」

背後からゴリラっぽい声がした。
振り返ると、

「近藤さん」

やはりゴリラだった。



「新しい女中が入ることはもう屯所内で噂されてるらしいから、知ってるな?」

そう言う近藤さんの隣にいる、
淡い水色の着物を身につけ、長い髪を耳の下で二つにくくっている女の人。
この人が、新しい女中……?

俯いていた彼女が、顔を上げた。
目と目が合った瞬間、私は(それは彼女も、)目を見開いた。



だって、

  だって、



「この子が新しく女中になる———ん? 鈴ちゃん、どうした?」



ゆっくりと、口を開いた。








 「 お姉ちゃん? 」






私と同じ色の髪が、風に靡いた。