二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【銀魂】真選組女中ですけど。【ギャグ99%】 ( No.345 )
日時: 2011/10/23 13:50
名前: いちか ◆iK/S6sZnHA (ID: rjNBQ1VC)




「ん…」

目が覚めた。
そうだ、私…沖田さんに鬼嫁飲まされて、酔って、吐いて、寝て。
………。

う、ダメだ。まだ気持ち悪い。


88)月見団子っておいしいの?


部屋に明かりをつけていないもんだから、辺りは真っ暗で。
明日も早く起きなければいけないのは分かっていても、どうも二度寝できるような感じでは無かった。

…少し、外の風に当たろう。

そう思って障子を開けると。


「あ…起きたのね」
「…お姉ちゃん」

一人縁側で佇んでいる姉の姿があった。

「今、何時か分かる…?」
「多分…11時頃じゃないかしら」

11時、かぁ…。
皆広間で酔いつぶれて寝てるんだろうな、きっと。



…そうだ、


「ねぇ、お姉ちゃん」

「…なぁに?」

姉の隣に座り、夜空に浮かぶ満月を見上げる。
聞くなら今がチャンス。そう思った。



「どうして、どうしてお姉ちゃんも、この世界にいるの?」



ホントはこんなところで会うはずなかったんだ。
一生、会えないと思ってたから。
一生、帰れない……いや、


 帰りたくないから。


「…」


姉は、ただ黙って俯いている。
そう思っていれば、不意に姉が口を開いた。


「結構前なんだけどね。落とし穴にはまっちゃって。気がついたら、こんな世界にいたのよ。……鈴も、そうでしょう?」

こくりと頷く。

あぁ、なんだ。
お姉ちゃんも私と同じことで。




——でも、なんで?



真選組に来るまで、どこでなにしてたの?(この世界に来たのは、結構前だって言ったよね?)
何で今更真選組で働くことにしたの?(寄りによって、真選組なんかで)
その水色の着物は、どうしたの?(買ってもらったの?)(誰に?)

——どうしてそんな哀しい顔をしているの?(何を想って、)



疑問が浮かんでは、消える。
頭の中はもう姉への疑問で(酔いもある所為か、)ごちゃごちゃだ。


今は、何も考えないでおこう。
お姉ちゃんがここにいるというのが事実ならば、それでいい。
私は存在を確かめるように姉を見据えた。


…満月に照らされている姉は、美しくも怪しげな雰囲気を醸し出していた。


まるで——そう、高杉さんのような。


「…ッ!?」

体全身を渡って寒気がした。
一瞬、一瞬だけれど、目の前の姉に少しの恐怖を感じたのだ。


「……鈴? どうしたの?」

姉が、心配そうな顔をして私の顔を覗き込む。

「な、何でもないッ…」

バッと立ち上がると、自分の部屋の戸に手をかけた。


「体、冷えたみたいだから…もう寝とく。お姉ちゃんも早く寝た方がいいよ。真選組の朝は、早いから」
「ふふ…そうね、もう少ししたら寝るわ。風邪引かないようにね。…おやすみ、鈴」
「……うん。おやすみ、お姉ちゃん」



その会話を最後に、トン、と部屋の戸を閉めた。