二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【銀魂】真選組女中ですけど。【ギャグ99%】 ( No.375 )
日時: 2011/11/11 21:26
名前: いちか ◆iK/S6sZnHA (ID: rjNBQ1VC)



冷たい風が吹く、江戸の夜。
そんな江戸の治安を守る真選組…の屯所の、とある女中の部屋で、なにやら沈黙が流れています。


98)人は小さなことで覚醒する。


近藤さんから貰ったゴリラのぬいぐるみ(ちょっと可愛い)や、
ザキさんから貰ったシャトル(正直いらない)などが置いてある私、楠木鈴の部屋。
そこに私と土方さん、そしてお姉ちゃんが居座っていた。
向かいのお姉ちゃんは、さっきから俯いたまま黙っている。


(…って、何で私の部屋なんですか!?)

目で隣の土方さんに問う。

(知るかよ。てめーの姉さんが指定したんだろーが!)
(な、何か理由があるんですかね…)
(…あァ、おそらくな…)

そんな目だけの会話をしていると、
不意に姉が顔を上げ、口を開いた。


「…鈴の部屋で話をすることに、特に理由はありません」

((なかった!!))


「それで、話…って?」

姉の顔を見つめながら、恐る恐る聞いた。
昼と比べて、表情が重い。それほど深刻な話なのだろうか。
や、やっぱり、土方さんが言った通り、沖田さんのことが……?

姉がコクリと頷く。
私と土方さんはごくりと唾を飲んだ。


「——二人とも、勘違いをしてません?」
「「へ?」」

思わず呆気ない声が出る。
いや、だって予想もしてなかった言葉だから。
勘違いしてないか、なんて…

「昼に土方さんは、まるで私が沖田さんのことを恋愛対象として好いてるような言い方をしましたが…」
「やっぱり、違うのか?」

ええ。という姉の返事に、私は何故か安堵感を覚えた。
だよね、お姉ちゃんはちょっと絡んだ程度で好きになるような人じゃないもん。
うん、良かった良かっ……


「…まぁ、可愛いとは思いますけど」


ん??

「…お姉ちゃん、今何か言った?」

言って、ないよね。
なんか可愛いって単語が聞こえたけど気のせいだよね。


「幼い顔立ち…つまりベビーフェイスよ、童顔よ。
 なのに真選組で隊長を務める18歳なんて、犯罪だと思わない?」

姉は、先ほどの深刻そうな表情とは打って変わって柔らかな表情になっていた。
柔らかといっても、なんだか種類が違う柔らか。

姉の発言に私の思考回路が追いつかないにも関わらず、姉は何故か除々に興奮してきているようだった。
挙句の果てには、土方さんにこう言った。

「そうだわ! ねぇ、沖田さんの小さい頃の写真とか持ってたりしません?」
「は…はァ!?」
「あ、土方さん、貴方の小さな頃も見てみたいかも…」


きっと幼くして生意気ボーイだったのね!と一人で騒ぎ始めた姉は、もう私の姉では無いような気がした。
姉を他所に、私と土方さんは陰で会話をする。


「おい鈴、どうなってやがんだ姉さんんん!!」
「知りませんよォォォ!!」

逆に私が知りたいよ、ねぇ教えて!
こんな無性に童顔やら小さい頃だとか言うお姉ちゃん知らないィィ!


——その時、私の脳裏に一つの単語が浮かんだ。


「もしかして…あれじゃないですか?」
「なんだよ」

スッと土方さんを見る。

「ショタコン。小さな男の子が大好きな人をこう呼びます」
「マジでか」



後ろでは、姉が壁に向かって何かを語っていた。
…江戸の夜は寒いです。