二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【銀魂】真選組女中ですけど。【100話突破/企画第二段的な】 ( No.394 )
日時: 2011/12/03 18:02
名前: いちか ◆iK/S6sZnHA (ID: rjNBQ1VC)



◆ スピンオフ - 102.




——副長室




「副長、何度も資料を見直したんですけど…鬼兵隊に楠木霞が所属しているという情報が一切ありません」
「…何だと?」

書類を片付ける手を止め、
副長が目を細める。

鈴ちゃんの姉、楠木霞は鬼兵隊の一員だった。
自分で名乗ったのだ。「鬼兵隊の楠木霞」だと。
…なのに、いくら資料を探っても、楠木霞という名など何一つ書かれていない。

「身元や経歴は」

黙って首を横に振る俺に、副長は溜め息をつく。
こっちだって何度溜め息をついたことか。
これでも一応監察としての意地とプライドがある。なのに何一つ情報を掴めないのがなんとも悔しい。


「…副長、」
「何だ」
「鈴ちゃんが真選組に来たときも、鈴ちゃんのこと調べたんですよ」

いや本編には出てきてないけど。
書くの面倒くさいとかいう理由で、俺の出番省かれたんだけど。


「その時も、履歴書に書いてあること以外全く分からなかったんです」


副長が、机から一枚の紙を取り出した。
…鈴ちゃんの履歴書だ。



氏名:楠木鈴
生年月日:2月5日
性別:可愛い女の子
住所:特になし
電話番号:忘れました



「…」
「…うん、これ以外のこと、全然分からなかったんです」

ていうかね、副長。



「まず、二人がこの世界に存在している記録がないんですよ」


あァ?と副長が眉間に皺を寄せる。

俺だって訳が分からない。
楠木霞の経歴が分かれば、鈴ちゃんのもそれなりに分かる。
そう思って調べたが、やはり同じだった。




「例えるなら、異次元から来た——」



その時、部屋の襖がガラリと開いた。

「…近藤さんか、どうした?」
「いや、総悟に少し頼みがあって探してるんだが…そうか、ここでもなかったか」

どうやら局長は沖田隊長を探しているらしい。
…どうせ陰でサボっているんじゃないのか。


局長がその場を去った後、俺も立ち上がり副長室を後にする。





( 楠木鈴、楠木霞。この姉妹は一体何者なんだ )