二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【銀魂】真選組女中ですけど。【100話突破/企画第二段的な】 ( No.408 )
- 日時: 2011/12/06 21:32
- 名前: いちか ◆iK/S6sZnHA (ID: rjNBQ1VC)
「鈴、マヨネーズ買ってこい」
「あ、じゃあ俺はジャンプな」
「ふざけんなよお前ら」
105)雨の日は何だか憂鬱になる
何でこんな雨の日にあの人らは。
「最近辻斬りが流行ってる、昼といえど油断すんじゃねーぞ。…って心配すんなら行かせんじゃねーよマヨラー」
ったく、何が悲しくてこんなこと。
パシりならザキさんへ、って部屋の襖に張り紙しとこうかな。
***
「——ん?」
マヨネーズとジャンプの入ったレジ袋を持ち、
雨で濡れた地面の上を歩いていると。
角から新八くんが出てきて、こちらに向かって走ってくる。
その顔は真剣そのものだ。(なにか、あったのか)
「どうしたの、新八くん。傘も差さずに」
「あっ…鈴さん。今急いでるんで、すみません!!」
そう息荒々しく言って、
また走り出した新八くんに声をかける。
「辻斬り流行ってるらしいから、気をつけなよー!」
「その辻斬りの犯人がいる所に行くんだよォォォオ!!」
…あぁ、そう。頑張ってね。
……って、
「え?」
どゆこと?
***
…なにここ。
港らしきその場所には、攘夷浪士っぽい方々がウヨウヨ。
…そして、一台の大きな船。
「…え、これってまさか、」
資料で見たことがあるような。
高杉さんたちって、こんな船に乗ってるんだよね。
それと瞬時に頭に思い浮かんだこと。
「…お姉ちゃん」
もしアレが鬼兵隊の船ならば。
お姉ちゃんがいるに違いない。
——行かなきゃ、
会って、話をしないと。
けれど、容易に近付ける様子ではない。
その時、元々追ってきた人物の背を見つける。
「——新八くん」
「わ、鈴さん。何できたんですか!」
新八くんは体を強張らせて目を見開いた。
「気になって着いて来た。そして私も行かなきゃならない」
「鈴さんも…? どうして…って、ぬえええ!?」
新八くんが更に目を見開いた。どこまで開くのこの目。
新八くんの目線の先を辿ると——
まるで桂さんのようなヅラを被った、エリザベスの姿。
「ちょっ…何やってんのあの人ォォ!! あっ、人じゃなかった」
「怪しすぎる! 怪しすぎるよエリザベス!!」
基本が怪しいのに!!
エリザベスも船に歩み寄っていたけれど、
まぁ怪しい野郎は必然的に浪士に足止めされるわけで。
けれどエリザベスは顔色一つ変えることなく(まず変えれるのか知らんけど)、プラカードを出して見せた。
…地獄の道まで案内してほしいらしい。
その言葉の意味は、次の瞬間に解った。
エリザベスは口の中からバズーカのようなものを出し、船に向けて発射。
その威力は凄まじく、船体に大きな穴を開けた。
凄いねエリザベス、こんなことまで出来ちゃうんだね。
——と、関心している場合じゃない。
身を隠していた樽から出てきた新八くんに、エリザベスは自身の刀を投げ渡す。
そして掲げたプラカードに書かれた言葉。
[早くいけ]
自分に注意を引かせて、新八くんを船内に乗り込ませようとしたのだろう。
ここは私も行かせてもらう他ない。
(鬼兵隊の船に乗り込むなんて、危険だって十分分かっている。でも、)
「エリザベス先輩…っ」
「早く行こう、新八くん」
「うおおおおおおッッ!!」
力強く雄叫ぶ新八くんの背を追いかけ、
船へ乗り込む。