二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【銀魂】真選組女中ですけど。【100話突破】 ( No.419 )
- 日時: 2011/12/10 21:24
- 名前: いちか ◆iK/S6sZnHA (ID: rjNBQ1VC)
今だ爆撃は続いている。
船に潜入して、どれほど経ったのだろうか。
…姉から逃げて、どれだけ走っただろうか。
「チッ…待ちなさいッッ!!」
「いやああああああああああッ!!」
107)ダイエットにはリバウンドがつきもの
時節爆撃の反動でバランスを崩しこけそうになるが、そこは踏ん張ってまた走り出す。
うん、走るしかない。逃げるしかない。
刀に対抗できる武器なんて、持ってないもん。
——今のところ、何とか一定の距離を保ち姉から逃げれている。
だが。
家にしろ船にしろ、必ず“行き止まり”というものがある。
まだ行き止まりにあってはいないが、この船の構造も知らない私が無闇に走り回っていては、いつか出会ってしまうだろう。
…とは言っても、どうにも出来ないんだけどね! ははっ、笑えねェ!!
野生の勘に頼るしか…
よし、次の角をッ…
「左ィィ!!」
左折すれば、見えてくるソレ。
ソレは、まるで怒ったときの土方さんのようにどんと立ちはだかっていた。
「馬鹿ね、無闇に走り回るからよ!」
後ろから姉のあざけ笑うような声が聞こえた。
ち、ちくしょおおお…ッ!
思ったそばから…
なんで…なんでっ…
行き止まりなんだよ!!
行き止まりに直面した私は、ギリギリまで壁に来て、振り返る。
見れば、姉が余裕の表情でこちらへ歩み寄ってきていた。
どちらも息が荒い。…仕方がない、それほどたくさん走ったのだ。
「手間かけさせないでくれる? こちとら紅桜の件で面倒なことになってるのよ」
「紅鮭?」
首を傾げた時には、姉の残像だけが残っていて。
「——ッ!!」
頭上スレスレ。壁に刀が刺さっていた。
私は間一髪のところで、しゃがみ込み回避できたのだ。
いや、しゃがんだって言っても、腰が抜けたみたいな格好だけれど。
見上げれば、姉が不機嫌そうな顔で私を睨んでいた。
「何で避けれるの? アンタは何も鍛えてないはずなのに」
…そう言われりゃそうだ。
でも、そんなの私だって解らない。
だけど、
「…強いて言うなら、姉妹だから、か」
「……」
その時。
「「!?」」
船が傾き、私はしゃんでいる体勢から仰向けの体勢へと変わり、
あろうことか姉は壁に頭から突っ込んだ。
この浮遊感…
「船、飛んじゃってる感じですか」
「…爆撃から逃れるためね」
姉が壁に刺さった刀を抜いていると、何やら向こうから何かが転がってくる。
…鬼兵隊の船員、二名。
そうか、傾きに反抗して走らなきゃ、転がっちゃうんだ。
…って、このままじゃ私たち、あの二人とぶつかって……
姉も察したのか、小さく舌打ちをする。
そして。
転がってきた船員二人を、ギリギリのところでジャンプし回避。
私も慌てて便乗…
…したのはいいが、一定の場所を走り続けるというのはキツい。
「やばいやばいこけるこける!」
「うっさいわね。あれよ、ダイエットのやつだと思いなさい」
「あの速度変えれるやつ!? いやこれ命懸けじゃん!」
「生半可な気持ちで痩せれるわけないでしょう!!」
つーかダイエットじゃねえ!!
(神楽ちゃん、助けにきといて何だけど…助けてェェ!)
(そりゃねーぜぱっつぁん)