二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【銀魂】真選組女中ですけど。【新春】 ( No.481 )
日時: 2012/01/05 14:53
名前: いちか ◆iK/S6sZnHA (ID: rjNBQ1VC)


「こるァァ! カゴに酢昆布ばっか入れないィィイ」
「そろそろ尽きそうアルよ、買い足すアル」
「銀さん、何とかし…てめーもいちご牛乳入れてんじゃねェェェこンの甘いもんしか口に出来んガキが!」
「あァン!? コーヒー牛乳だって飲めるからななめんなよコラ」

「…あの、静かにしませんか。銀さん、神楽ちゃん、鈴さん」


119)ドッペルゲンガーって見たら死ぬの?



「ごちそーさまアル!」

目の前の神楽ちゃんは、パンと良い音を立てて手を合わせる。
口の周りに食べかすがついている。なんて可愛いんだ。

あれから無事買い物を終え、適当に晩ご飯を作った。(新八くんは作ってる間に帰った)
いやーなんていうか嬉しいねやっぱり。
自分の作った料理を完食してくれるのは。

ちらりと銀さんを見やると、最後の一口を口に運んでいた。
それからもぐもぐしている銀さんに話しかける。

「どうでした?」
「うまかった。ごちそーさん」

さて、食後のいちご牛乳。と早々に冷蔵庫に駆け寄る天パを殴りたかったけど、やめておいた。

よーし。晩ご飯も済ませたし、食器洗わなきゃな。

「鈴、一緒にお風呂入るアル」
「洗い物しなきゃだから、入ってていいよ」
「そんなの銀ちゃんにまかせとけばいいネ!」

ぐいぐいと甚平の袖を引っ張ってくるこの神楽ちゃんに、それでも無理と断れる人がいるのだろうか。
なにこれ、可愛すぎて仕方がない!!
男だらけの屯所で暮らしてるからかなぁ、もう尚更。
私に甘えてきてくれるのって鈴虎(鈴の愛猫。かなり久しぶりの登場)だけだからなー…。
あ、いや別に甘えてほしいってわけじゃないよ!!

明らか嫌そうな表情の銀さんに、
じゃあお願いします。と少々申し訳なく言って、風呂場へ足を運んだ。




 ***



「ふーさっぱりィ」
「やっぱ二人で入るには狭かったネ。でも楽しかったアル」

そうだね、と私は笑った。
男だらけの屯所じゃ、お風呂なんて一人で…時々鈴虎と入ってたからなぁ。
あ、いや別に誰かとお風呂入りたいってわけじゃ(ry

それにしても、私着替え持ってきてなかったから神楽ちゃんの借りたんだけど、意外とピッタリ。
ま、身長ほぼ一緒だしね。


「狭い風呂で悪かったな」

ソファに寝転がってジャンプを読む銀さんは、嫌味っ気のある声色でそう言った。

「やだな、一人で入る分には十分ですよ。…あ、洗い物、ホントにやってくれたんですね。ありがとうございます」

台所を覗くと、白い食器が積み重ねてあった。
濡らしたまんまだし、所々泡ついてるけど。
まぁそれは私がやっておこう。

「メシ美味かったしな。それに、泊まりにきてまで女中と同じようなことする必要ねーよ」

や、濡れてるし泡ついてるからまた洗い流して拭かなきゃなんないんだけどね。
てか、いつの間に許してくれてたんだろう。いや嬉しいけど。

「…どーも」
「鈴、髪拭き合いっこするアル!」

そう言って黄色のタオルを持ってくる神楽ちゃん。
つくづく可愛いなお前は!




わしゃわしゃー、と私が神楽ちゃんの綺麗なオレンジの髪を拭いてあげていると、
銀さんがソファから身を乗り出してこちらを見つめていた。

「…何ですか?」

「や、なんかお前ら似てると思って。髪型」
「髪下ろした神楽ちゃんと、私がですか?」

思わず神楽ちゃんと見つめ合ってしまう。

「髪の色とか、目の色変えて服装入れ替えても誰も分かんねーと思うぞ」


…そうかなぁ。

「何言い出すかと思えば…なに馬鹿なこと。ほら銀さんもお風呂入ってきたらどうですか」
「あー、そうだな」

そう気の抜けた声で言うと、銀さんはお尻をかきながらお風呂場へと向かった。
尻をかくな尻を。



………誰にも分からん、ねぇ。




(私と神楽ちゃんが目を合わせ怪しげに笑ったのを、三日月だけが見ていた)