二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【銀魂】真選組女中ですけど。【新春】 ( No.491 )
- 日時: 2012/01/07 12:30
- 名前: いちか ◆iK/S6sZnHA (ID: rjNBQ1VC)
「おはようございまーす」
新八くんだ。何の用だろう。
…あ、そっか。出勤してきたのか。職場ここなんだよね。
122)閉じ込められると息苦しくなる
「あれ、鈴さんはもう帰ったんですか?」
「挨拶もしないでな。礼儀がなってねーや、さすがチンピラ警察」
いやいやいや、チンピラとか関係ねーだろ。
チンピラなのは土方さんや沖田さん達であって女中の私は関係なっしんぐといいますか。
それに、礼儀くらいあるさ失礼な。でも反論できないのがもどかしい。
銀さんはソファから立ち上がり、「ちょいと出かけてくるわ」と着物の裾を翻す。
どうせ甘いもんやらジャンプやら買ってくるのだろう。
——ガタ、ガタガタッ
「あれ、開かねェ…」
ガタガタガタガタッ
「新八ィィィてめーどんだけかたく閉めたんだよコラァァァ」
…玄関先からなんか聞こえてくる。
どうしたの、何があったの一体。
出かけるなら早く出かけたらどうなんですか。
私と新八くんは、玄関へと駆け寄る。
目に映ったのは、引き戸を一生懸命に開けようと頑張っている銀さんの姿。
「僕普通に閉めたんですけど…」
「外れてるんじゃないあるか」
「あァん? ったくこれだから古い家は面倒なんだよ…おい神楽」
「何あるか」
「直せ」
……は??
いや何言ってんのこの人。
ズレなんて直せるわけないだろォォォォォオ
私女だよ! オンナノコだよ!!
「何で私がやんなきゃいけないね」
「てめーの怪力でやった方が早いだろ」
そうか。
神楽ちゃんは怪力なんだった。
うん、それならだいじょ……ばない!!
見た目神楽ちゃんでも中身云々は楠木鈴のまんまだもん!
でも、ここでしぶしぶやってあげるのが神楽ちゃんなんじゃないか?
やるだけやってみよう。もしかしたら出来るかもだし。時々隊士らの稽古みてるし(←関係ない)
「…ふんぬッ」
外れた引き戸を、何とか元に直そうと頑張ってみる。
戸を少し上に上げて、レールにはめようと、するんだけど。
……うん、重いややっぱり…。
力入れすぎて酷くさせんなよ、と銀さんのゆるい声がかかる。
いや、酷くさせるどころか、これ、逆に無理…
「無理」
ギブアップした私に、
銀さんと新八くんは目を丸くした。
「神楽が無理なんじゃお前…誰が出来るんだよ」
お前だったら出来るよ。
「どうしよう。もう出られないなんてこと…」
大丈夫だよ、君ら二人どっちかがやれば大丈夫だよ。
「新八ィィてめーのせいだろ! どんだけ力強く閉めたんだよマジで、サイヤ人ですかコノヤロー!!」
「すみませんんんんん!!」
「こうなったら…壊して出るしかねーか」
「そしたらお登勢さんに賠償金やら責められますよ!」
「…そうか、ババアがな…。だが背に腹は代えられねー…!」
銀さんが木刀を構える。
おいおいおい、ちょっと待て!!
「いや、壊さなくていいある、銀ちゃんか新八だったら直せるよ」
「何言ってんだ! お前が無理だったら俺らも無理に決まって…」
「いいからやれよ、直せるつってんだろ」
「…はい……」
ガタガタ、ガタ
(あれ、出来た)
(へぇ、不思議だなぁ。神楽ちゃんが怪力じゃないなんて…)
(腹減って力でないあるよ)