二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【銀魂】真選組女中ですけど。【原作沿い】 ( No.508 )
- 日時: 2012/01/22 23:36
- 名前: いちか ◆iK/S6sZnHA (ID: rjNBQ1VC)
「うっひひ」
頭の上に掲げた、ピンク色の携帯が太陽に反射して光る。
この携帯は私のものなんだと思うと、ニヤけてしまう。
126)スラれてもその財布は空っぽ
「……さて」
屯所に戻り、とりあえず自分の部屋に居座った。
そして携帯の画面を見つめる。
電話帳、アドレス帳共に0件の表示。
…白い…超悲しい…
これじゃ携帯買ってもらった意味がないので。
登録しに行こう、みんなの。
***
「あ、ザキさん!」
「ん、どうしたの? ミントンする?」
「電話番号教えてください」
「断りも何もしないのが一番悲しいんだけど。…電話番号? あれ、鈴ちゃん携帯持ってなかったっけ?」
手に握り締めた携帯を、じゃーんッと誇らしげに見せる。
「今日買ってもらいました。ささ、赤外線赤外線」
——送信中...
——受信中...
「ザキさん」
「なに?」
「アドレスに、mintonとかいれるのはどうかと」
「ほっといて」
***
屯所内を歩いていると、次は近藤さんと原田さんに出会った。
近藤さんのアドレスには、otae-isao-loveloveの文字が。
これお妙さんに見せたら近藤さんどうなるかな。…こっちが怖いからやめとこう。
次いで交換した原田さんのアドレスには、Skinという単語があった。
スキン………ヘッド、といいたいのか。hageの間違いじゃ…なんて言ったら怒られるよね。
……というわけで、今のところアドレス帳には、
ザキさん、
ゴリラ、
スキンヘッド
の3人が登録されている。
あと必要な人は……
マヨラーに、サディストあたりか。
この二人は何だかなぁ。
パシりメールばっか送ってきそうな予感がしてならない。
でもよく話すし……
もしかしたら緊急、なんてのもあるかもしれない。
聞きにいこうかなぁ、
いやどうしようかな……
「…うん、とりあえずお妙さんの連絡先聞きにいこう!」
銀さんとかは、万事屋の番号でいいよね。
常に外より内にいそうだし。
あの二人は後回しにしよう。
そう思い屯所を出ようと門をくぐりかけたとき。
「おい鈴、何処行くつもりでィ」
……。
振り返ってはダメだ鈴。
はやく恒道館へ!
再び歩き出そうとする私の、
後ろ襟を掴まれた。
「無視たァいい度胸してるじゃねーかィ」
「いやややや、無視だなんてそんな。…何の御用で?」
「別に。土方コノヤローと見回りに行こうと思えば鈴がいたから」
…あら、土方さんと。
じゃあ土方さんもいるわけですね、後ろに。
「そういやてめー携帯買ったらしいじゃねーですかィ」
「何で知ってるんですか」
「さぁねィ。どれ、俺のも登録してやりまさァ」
「い、今はいいです! 私用事があるんでッ」
そう言って、携帯を手の中に隠すようにして持ち、屯所を出た。
の、だけれど。
手の中がからっぽだ。
……。
「携帯なくしたァァァァァァァ!!!」
そう叫んで沖田さんと土方さんの方を振り返った。
絶望いっぱいの涙を流す私の目に映ったのは、
「ァァァァァ……あ?」
携帯を二つ持ち、赤外線通信のようなものをしている沖田さん。
私がぽかんとしていると、沖田さんは一つの携帯を私に投げた。
受け取ったその携帯は、どっかに落としたはずの私の携帯。
「赤外線完了。パシられたかったら電話しなせェ。つーかそんなんじゃ簡単にスラれちまいやすぜ」
「落としたんじゃなくて、沖田さんが盗ったんですか!」
何だこの人! 警察かよマジで!
…つかホントに登録されてるし。
え、なにこれ。名前がご主人様って登録されてる。
ちくしょー後でサドに変えとこう。
「…もういいや。ついでなんで土方さんのも教えてください」
「ついでって何だついでって! …勝手にしろ」
手渡される土方さんの携帯。自分でしろってか。
ったく…。もしかして赤外線通信中に向き合うのが恥ずかしいのか、照れ屋さんめ。
——送信中...
——受信中...
……ん?
この人のアドレスも…
「土方さん」
「ンだよ、終わったなら返せ」
「まさかとは思ってましたけど、アドレスにmayoってアンタ」
「うっせ」
よし、登録する名前はマヨネーズで決まりだな。
(ザキさん、ゴリラ、スキン、サド、マヨネーズ。
…これでいいよね。分かりやすいし)