二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【銀魂】真選組女中ですけど。【原作沿い】 ( No.529 )
- 日時: 2012/02/01 22:43
- 名前: いちか ◆iK/S6sZnHA (ID: rjNBQ1VC)
「そーちゃん、今日はありがとう。坂田さんも、鈴さんも。付き合ってくれてありがとうございます」
「いえいえ」
「気にすんな」
結局あれから私も江戸の町を連れ回されて。
私は沖田さんみたく非番じゃないんだけどな。うん。
お仕事あったんだけどな。うん。
でもジャンプフェスタ楽しかった。
いやサンデー派だけどね私は!!(とか言って一星球を首にかけている自分)
130)強気だったのに何かしら図星をさされて目が泳ぐ奴は大抵ヘタレ
夕陽もすっかり沈んで、辺りは真っ暗。
ミツバさんを婚約者のお屋敷まで送ったんだけれど、そのお屋敷がまたでけーもンで。
「じゃあ姉上、ここで。先に入って下さい」
「ええ」
ミツバさんが屋敷の戸に手をかける。
…が、少し開けかけたところで「そーちゃん、」と再度こちらを振り向いた。
「あの…あの人は、」
「野郎とは会わせねェぜ」
先ほどまでとは打って変わった、沖田さんの低い声が闇夜に響いた。
「今朝方も、何も言わずに仕事に出ていきやがった。薄情な野郎でィ」
そう吐き捨てると、沖田さんはスタスタと歩いて行ってしまう。
「あっ、ちょっと待ってください、沖田さん!」
一緒に帰ろうと、沖田さんを追いかけた。
待ってと言っているのに、足を止めるどころか除々に早くなっていってるのは彼はSだからなのか。
それでも何とか走って、追いついた。
「待ってって言ってるのに…ねぇ、沖田さ、」
ふと見た彼の横顔は、(とても、とても、)
「…あの人って、誰ですか」
「……」
「野郎って、誰ですか」
「……」
「土方さん、ですか」
「……!」
ピクリ、と、
微かだが確かに沖田さんは反応した。
“土方”という名前に。
沖田さんも、自分の欲望にだけじゃなく、純粋に素直だったりする。
「…やっぱり」
「うるせェ、ムカつく。死ね」
「生きる。…他人のことに云々言えないですけど、愚痴くらいなら聞きますよ」
愚痴は愚痴でも、沖田さんがいつも言っているような愚痴なんかじゃないことは、私でも感じ取れた。
「てめーなんかに話しても……」
——プルルルルルル
沖田さんの携帯が鳴った。
「…山崎、何の用でィ」
『大変です、ミツバさんが——!!』
辺りが静かだったから、電話の向こうの声が聞こえた。
どうやらザキさんが焦っている様子、どうしたんだろう。
次の瞬間、沖田さんは目を見開き、
歩いてきた道を走っていく。
「ちょっ……沖田さん!?」
私も慌てて追いかけた。
( 身勝手で、頑固で、負けず嫌いで。
——とても素直で。 )