二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【銀魂】真選組女中ですけど。【原作沿い】 ( No.537 )
日時: 2012/02/05 17:56
名前: いちか ◆iK/S6sZnHA (ID: rjNBQ1VC)




集中治療室。
白い部屋の中で医者や看護師が目まぐるしく動き回り、
中心では呼吸器をつけ苦しそうに息をするミツバさんが横たわっている。

私と銀さんはガラス越しにただ見つめることしかできなかった。


133)カフェオレとカフェラテの違いって何?


私が沖田さんの携帯に連絡してから、沖田さんと近藤さんの二人が駆けつけてきたのには10分もかからなかった。
二人は廊下の医者たちを跳ね除けるように走ってき、治療室の中のミツバさんを凝視する。


「急に吐血して倒れたらしくて。…家族の人は、それ相応の覚悟をしておけと」

ぽつりと呟くと、沖田さんは悲しげに顔を歪めた。



 ——どうか、どうか、





 ***




「沖田さん、少しくらい寝た方がいいんじゃないですか。…何かあればすぐ起こしますし」

否、起こさずに済んでほしいが。


「そうだ総悟。いい加減休め。昨日から一睡もしてねーじゃねーか」

そう言いながら近藤さんが歩いてくる。
俺寝てきたからと交代、と言うけれど、その目にはくまさんが住んでいた。
指摘すればメイクだと言い訳してきかない。

「鈴ちゃんも寝ていいんだぞ」
「私は大丈夫です。…ちょっと、飲み物買ってきますね」

長イスに横たわっていびきをかく銀さんを横目に、自販機のある場所へと足を運ばせた。






——ガコン、
缶コーヒーの落下音が静かな廊下に響く。
人数分の缶コーヒーを抱えて治療室の前まで戻ってきたが、今のところ異変はない様子。

眠って、目覚めたら、笑顔が待ってるといいのに。


「局長ォォォ! 大変なんです! 副長がァァ!」


——そんな淡い想いは瞬時に掻き消された。



切羽詰った表情のザキさんが言う。


親類縁者に攘夷浪士と関係のある者がいることが隊内に知れれば、
沖田隊長が真選組での立場を失う。
だから、土方さんは汚れ役を買い、カタをつけにいっていると。

今この時。土方さんは、たった一人で。




(何度でも飛び越えてって、何度でもてめーをブン殴りに行ってやる)
(気にくわねェ野郎のままでいいんでィ)
(最後までつきあうぜ、総一郎くん)




「姉上を、頼みまさァ」
「…まかせてくださいよ」





私が出来ることは、たった一つだけ。

どうか、みんな無事でいて。