二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【銀魂】真選組女中ですけど。【原作沿い】 ( No.550 )
日時: 2012/02/11 22:01
名前: いちか ◆iK/S6sZnHA (ID: rjNBQ1VC)




◆ 昔話パロ - 浦島太郎 02





「ぐふぉッ…あぼ、ぼびばべばぶ(あの、ゴリガメさん)」
「ゴリガメじゃないです、近藤です」
「びびでばびでぶー(息が出来ないんですけど)。
 ゴポ、ゴポポポポポポポ(これ、不思議と出来たりするもんじゃないんですか)」
「やだなぁそんな不思議体験ありませんよ! ワッハッハ」
「べェェェェ!!(うぜェェェェ!!)」

私がゴリガ…近藤さんの甲羅の毛を引っ張ると、
近藤さんは悲鳴を上げて泳ぐスピードをあげた。
連れてくんならはやく連れていきやがれコノヤロー!
私の肺の中の酸素も、限界に近づいてきたとき。

「…?」
「見えますか、あれが竜宮城です」

赤や青に光る、綺麗なお城が見えてきた。
マジであったんだ……。
地味に感動していた、その時。


「あっ…お妙さんんんん!!!」
「!? ごは、ごぷぷぷぷぷ!!!」

近藤さんがいきなり凄い勢いで右を向いたので、しがみついていなかった私は振り落とされてしまった。
近藤さんの突進していった方を見ると、

「ごぽぽ?(人魚?)」

綺麗な人魚さんがいた。
やがて人魚さんは、近藤さんをコテンパンにして海の青に溶け消えてしまう。
近藤さんも顔が随分酷いことになって、気を失っている様子。どんどん海の底へ沈んでいく。

……やべぇ。
私これ死ぬんじゃね?
死亡フラグびんびんじゃねーか。
竜宮城まで泳いでいける距離じゃないし。
酸素ももう……ごはッ、

うわ、こんなのって酷い!!



そんな私に救世主が通りかかる。


「海で自殺なんてやめなせェ、ゴミが増える」
「…!!」

死体(まだ死んでないけどね!)をゴミ呼ばわりする、幼い顔立ちをした少年…いや、カメ。

「ゴポゴポゴポゴポゴポ(あの。近藤さんに竜宮城に招待されたんですけど、近藤さんが倒れちゃって…)」

近藤さん、というカメを相手が知ってるかどうかすら分からないのに、
とりあえず訳を話すのはそれほどピンチだから。死んじゃうから。

「へぇ、アンタ竜宮城に招待された奴ですかィ。…ならしょうがねー、乗りなせェ」
「ぺ?」
「俺も竜宮城のもんでさァ。はやく乗らねーと置いてくぜィ」
「ごぽぽぽ!(乗ります!)」

このカメさん、竜宮城のカメだったんだ。
いや、竜宮城に住むカメとそうでないカメがいるのは知らなかったけどさ。
とにかくよかったァ…助かりそう。でも酸素が……

「…あれ?」

息、出来てる。
普通に喋れてる。

「何でだろう。近藤さんに乗ったときは息出来なかったし喋れなかったのに」
「近藤さんは甲羅に毛が生えてるだろィ。あれが酸素を奪い取ってんでさァ」

あの毛め……!!!



(ところで、お名前は)
(総悟でさァ。沖田総悟)
(沖田さん。ありがとうございますホントに)