二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【銀魂】真選組女中ですけど。【原作沿い】 ( No.609 )
- 日時: 2012/03/26 22:13
- 名前: いちか ◆iK/S6sZnHA (ID: q4MzvCIN)
「…ここか…っくしょいィ!!」
やべ、花粉が…。
…ていうかー…うーんとぉ……ここは、花屋さん…なんだよね…?
ヘドロの森か…ほんとに森に生えてそうなたくましい樹があるんですけど。
ていうかそのたくましい樹がお店になってるんですけど。
こりゃバナナの樹の種なんて普通にありそうだな…。
141)ギャップ萌えについて考えてみよう
「まあいいや。なんか怖いけどここまで来たんだし入ってみるか…」
店先に誰もいないけどさ。てかまず店先の道に誰一人いないんだけどさ。
とりあえず、店の外から声をかけてみる。
「すいませーん」
…。応答なし。
「すいませーんッ」
「〜〜ッ!!」
……あれ、なんか今、中から声しなかった?
なんか叫んでたみたいだけど。どうしたんだろうか。
…入ってみるか。
店に入り、その奥にある扉をガチャリと開けた。
その瞬間。
——カッ
目の前を包丁が通り過ぎ、壁に突き刺さる。
「……え?」
え、何が起きたんですか一体。
そういう仕掛け?勝手に入ってきたら包丁飛んでくる仕掛け?怖ェェ!!
ならすみませんとっとと出て行きます!!!
後ろに一歩後ずさったところで、その考えはどこかに飛んでいく。
何故ならば、目の前には神楽ちゃんと新八くんの姿があったからだ。
今にもこの扉から出て行きたそうな感じだが、その体は固まっている。
「鈴、何でここにいるアルか!」
「え、いや、外から声かけても返事なかったから。入っちゃって…」
逆に何で神楽ちゃんたちがここにいるの、と聞き返そうとしたが、
「何ですと!? すみません気付かなくて」
横から聞こえた声によって掻き消された。
「ああ、全然大丈夫ですよ」
そう笑いながら声の主に目を向けると。
———!!!??
「お客さん、ですよね? 嬉しいなぁ、初のお客さんなんですよ。あ、僕、屁怒絽と申します」
「あ、はぁ…はい…楠木鈴です」
緑色の肌で、頭に花が生えている…そして顔にかかる影が異常に濃い、巨体のかいぶ…いや、大魔王は誰ですか。
……超怖ェェェェェェ!! なにこれ泣いていい!?
「あ、それよりダメだよ君達。危うく植木を倒すところだった。…殺生は良くない」
屁怒絽さん…屁怒絽殿がしゃがみ込み手にとった、花が咲いた植木鉢。
もしかして、神楽ちゃんたちがこの植木を倒すのを阻止するために包丁を投げたわけですか。
……激怖ェェェェェェ!!
殺生は良くないてかアンタが殺生しそうだよ!!
「あぁ、それより…楠木さんでしたっけ」
「いやもう鈴でいいですはい、屁怒絽公」
「屁怒絽で結構です。…鈴さん」
「はいィ!!」
びくーッ!
いきなり下の名前で呼ばれるからビックリした!
いや自分が鈴でいいって言ったんだけどってやっぱ怖ェェェ!!
「どんな花をお探しですか?」
「え、えっと…」
近藤さんのお葬式用にバナナの樹の種を買いにきたんだけれど。
まずい。これは私がお葬式されてしまいそうだ。タスケテ。
何も悪いことしてない!してないのに凄く危機感を感じる怖い!
その時。
「屁怒絽ォォォ!! 地球はお前に…渡さねェェェェ!!」
銀さんが木刀を構え、屁怒絽公に向かって走ってくる。
え、これはどういう流れなの本当に。
地球は渡さないって…え? 屁怒絽公地球侵略しようとしてんの?
…ぞわりと、鳥肌が立つ。
私と神楽ちゃんと新八くんは、目を合わせて頷いた。
——ここは銀さんに全てを託して、逃げよう。
「「「うわァァァァァァ!!!」」」
恐怖を大声に変えて、ヘドロの森の内部へ逃げ出した。
…私、なんかとんでもないことに巻き込まれたな…。