二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【銀魂】真選組女中ですけど。【3Z始めました】 ( No.632 )
日時: 2012/04/05 14:28
名前: いちか ◆iK/S6sZnHA (ID: qdhAso1A)



さて、今日の掃除場所は……縁側、か。
縁側の雑巾がけって嫌いなんだよなぁ、勢いよくいったら庭に落っこちるから。なんでだろ。


144)お見合い結婚の方が上手くいくらしい


水の入ったバケツと雑巾を持って縁側に向かうと、そこにザキさんと原田さんの姿があった。
なにやら酷く落ち込んでいる様子だ。
ていうか掃除するってのに邪魔だな。

「どうしたんですか二人とも、邪魔ですよ」
「いきなり邪魔って酷くない鈴ちゃん」
「だって邪魔だし…」

二人の背後にバケツと雑巾を置き、ちらりとザキさんの手元を見やった。
その手にあるのは二つ折りの厚紙。

「それ何ですか?」

そう問うと、ザキさんと原田さんは揃って深く溜め息をついた。
どうやら落ち込んでいる原因はコレにあるらしい。

「お見合い写真だよ」
「えっ、誰の…ザキさんのですかっ」
「違うよ! 誰がこんなゴリラなんかと!!」
「ゴリラ?」

首を傾げると、ザキさんは眉をひそめたままお見合い写真を私に差し出した。
受け取って中の写真を見てみると。

着物をきたゴリラが写っていた。
女物の着物だからメスゴリラだろう。

うん。…え? ゴリラ?

「お見合い写真なんですよね、これ。このゴリラと誰が見合うんですか」
「決まってるだろ、局長だ……くうッ」

悔しげに目を隠すように押さえる原田さん。
つか何、決まってるだろって。ゴリラといやぁ局長しかいねーだろ的な。まあそうだけどさ。

……って、え??


「近藤さんがお見合いィィィィィ!?」

マジでか!!
ザキさんが顔にかかる影を濃くしながらぽつぽつと話し始める。

「局長も三十路近いでしょ。世間体も考えろってことで、上の方から縁談の話がきたんだ」
「で、でも、近藤さんにはお妙さんが…」
「そのお妙さんに振られ続けて何百回だろうね。
 すっかり肉体的にも精神的にも疲れちゃって、性別がメスなら誰だっていいってとこまでいっちゃってるらしいんだ」
「と、いうことは…」
「飲むだろうね、この話」

こ、近藤さァァァァん!!!
あの人がそこまで追いやられていたなんて知らなかったよ!!

「しかもバブルス星の王女だ。つまり逆玉」
「どうしよう、このままじゃこのゴリラを姐さんと呼んで敬わなきゃいけなくなる!!」

うわァァァ、と泣き叫びながら男二人は抱き合う。
私も姐さんなんて呼びたかないよ!
いやでも私は女中だから普通に王女様……いやどっちみち嫌だよ関わり持つのは!!!

「どうにかして近藤さんを止められる方法はないんですか?」
「今夜、副長と俺ら隊士数人で姐さんのとこへ行くつもり。まぁ局長の頼みなんだけどね。
 とにかく、局長を止めてやれるのはあの人しかいないと思うから」

確かにそうだ。
近藤さんの未来はお妙さん次第……
無理な気もするけどなぁ。