二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【銀魂】真選組女中ですけど。【3Z始めました】 ( No.636 )
日時: 2012/04/05 21:06
名前: いちか ◆iK/S6sZnHA (ID: qdhAso1A)


その夜。土方さんたちは屯所を出た。

数時間後。土方さんは刀にヒビを入れて、
ザキさんたちはボロボロになって帰ってきた。

なにがあったアンタら。


145)雨って心を落ち着かせてくれるようでどこかムカつく


交渉は結局失敗に終わったようで。
まぁ無理もないかな。
いきなり近藤さんの嫁になれって言われても困るに決まってる。
困る以前に自分のストーカーだ。嫌すぎて吐き気がするに決まってる。
嫁にならなくとも、あっちが結婚して終わるかもしれない自分へのストーキングを、自ら壊そうだなんて馬鹿のすること。
……とはいえ、ゴリラが姐さんになるのは嫌すぎる……!!

ザキさんを筆頭に、隊士共は揃って涙を流していた。



 ***



それから2日後。
今日は朝から曇り…嫌な天気だ。
昨日は晴天だったのになぁ。

…昨日といえば、近藤さんがお見合いした日だっけ。
帰ってきた近藤さんの話によると、写真のメスゴリラは予想より3倍でかかったって。
近藤さんの予想していた大きさがどれくらいなのか知らないから、こっちも分からないんだけど。
ま、普通のゴリラの大きさの3倍で考えればいいだろう。…うん、でかい。

……そして、そのでかいメスゴリラを、

見事近藤さんはオトした、らしい。


それ聞いた瞬間、顔から血の気が引いたのは私だけじゃないはず。
だってさ、オトしたってことはさ。
結婚しちゃうんでしょ。メスゴリラと。


「…はぁ…、いっそ真選組辞めようかな」

辞めちゃえば近藤さんとは他人になるわけだし。嫁のゴリラと関わることもないんだし。
でも今の日本を見ろ鈴。不景気だぞ。そう簡単に次の仕事が見つかるわけない。
すぐ見つかるなら長谷川さんは公園で警備員なんかやっていないのだから。

箒を片手に肩を落とす。
すると、後ろから足音が聞こえたので思わず振り返る。

「土方さん、沖田さん。何処行くんですか?」

私服に笠を被った二人が、門を出て行こうとしていた。

「我通しに行ってくる」
「…は? ていうか、雨降りそうですよ? 笠じゃなくて傘持ってった方がいいのに」
「これから行くとこにゃ傘なんて邪魔なだけでィ」
「二人して意味わかんねーな。…まぁいいや」

なんとなく、分かったから。


「いってらっしゃい。気をつけてくださいね」


二人を見送った後、ぽつりぽつりと雨が降り出してきた。
やべ、屯所入らないと。


小雨は次第に強くなっていく。