二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【銀魂】真選組女中ですけど。【3Z始めました】 ( No.651 )
日時: 2012/04/21 14:59
名前: いちか ◆iK/S6sZnHA (ID: JzqNbpzc)


とある日の、深夜の屯所。
ほとんどの部屋の灯りが消えているにも関わらず、ただ一つだけ明るい部屋があった。

——副長室だ。

鈴はその部屋の襖に手をかけ、スッと開ける。


「…眠レナイデス」


150)眠れないのに布団に入っている時間はもったいない


「うおァァァァァ!!!」

土方さんはそう叫び大きく飛び跳ね、尻餅をつく。

「やだな土方さん。んな大袈裟すぎでしょー」
「いや、鏡見てみろ。隈ある上に瞳孔開いてんぞ」
「知ってます。眠れなさすぎて瞳孔開いちゃいました」
「どんな現象!?」

ていうか貴方は常に開いてるでしょーが、土方さん。


「つーかこんな時間に何の用だよ、お前は」

ふう、と左手のタバコの煙を吐きながら、
右手に筆を持ち机に向かう土方さん。

「つーかこんな時間までお仕事ですか、お前は」
「てめッ今なんつった! お前って言っただろ!」
「言ってませーん。いやぁ何ていうか眠れないんですよ」
「だからって何で此処にくる必要がある」

他に誰か起きてるかなーって屯所内ふらついても、やっぱり皆寝ちゃってて。
そこで見つけたのが電気のついた部屋。

偶然それが、

「副長室だったってわけですよ!」
「帰れ。そして寝ろ」

即答ですか。マジですか。
いやでも戻っても眠れないんだもん!

「あ、お仕事手伝いましょうか! それかお茶くんできましょうか!」
「てめーに書類処分なんざ出きるわけねェだろ。茶もいらねートイレ行きたくなるから。帰れ」
「嫌だ」
「いいから帰れつってんだよォォ!! お願い帰って、300円あげるから!!」
「300円で私の安眠が約束されるというのであればその願い聞き入れよう」
「お前死ねもう!」

そうだな、死んで一生眠るっていうのも悪くないかな。それほどに眠りたいんです私は。
でも無理だから何か仕事して疲れて眠れたらいいと思って。

しぶとい私に土方さんは痺れを切らし、大きく溜め息を吐いて筆を置いた。

「分かった。俺はもう寝ることにする」
「え」
「というわけでお前も部屋に戻れ」

言われるがままに背中を押されて、副長室を追い出される。

「ちょっ私眠れないんですよう! 何とかしてくださいよう!」
「じゃあ中庭でミントンでもしてろ」

——ピシャッ(襖を閉められた音)


………。

何だよ、何なんだよ薄情者。
睡眠意欲を沸かせてほしいだけなのによォ!

「お前がもっと死ねマヨラー」

ぼそ、と閉められた副長室に向かって呟く。
まだ灯りはついている。布団でも敷いているのだろう。

…しゃあねぇ、ミントンで運動して疲れるか!
確かザキさんに貰った可愛いラケットが部屋にあるはず。

自室へ取りにいくため、縁側を歩く。

5mくらい歩くと、なにやら声が聞こえてきた。

「……ひ…………ね………んで…」

中庭からだ。暗闇で何処に誰がいるのは分からない。
こういうのは気になって調べたくなるタイプなので、私は中庭に出て声のする方へ歩いてみた。

「…誰か、いるんですかー…?」
「………かた、……死……くれ」

……あれ、何か聞き覚えのある声が…。
あの木の陰だ。
そろりそろり近づき、影にいる人物を覗き込んだ。


「土方死ねェ…死んでくれよ土方ァ……」




















「……はぁ、電気つけてっと鈴が来るし、消したら仕事できねーし。…まぁいいか、ほとんど終わりに近ェ……寝るか」

電気を消し、布団に仰向けになって目を閉じた瞬間。

「ぎゃあああああああああッッッ!!!」



何なんだよ、コイツはマジで。
俺なんか悪いことした?