二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ボカロ】夢に惑わされて、【人柱アリス】 ( No.2 )
- 日時: 2011/08/09 15:22
- 名前: 蟻 ◆v9jt8.IUtE (ID: V9u1HFiP)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode
世界は私を見下す。そんな世界は死ねばいい。いっそ夢に依存できればいいのに。夢は好き。私の好きにできるそんな世界。
そう思っていた昼の一日。
私は窓の外を見ながら世界に罵声を吐き出していた。私が楽で居られない様な世界は、私は嫌い。
この世界はどこも息苦しくて、生きづらい。友達なんて面倒な物も今は嫌い。大人なんて偉い人も嫌い。誰かに縛られて抗えない私も嫌い。もっと嫌いなのは、誰にでも正しくて世界に抗っている奴が嫌い。
私が好きなのは、夢と眠る私だけだった。考え事ばっかで根暗で、嫌だ。
「やあどうも、お嬢さん」
どこからか声した。誰の声だろう。自分の顔が怪訝な表情になるのは、自分でもちゃんと気付いていた。私は辺りを見回すが、その声の主は居ない。
「居ると思えば、ちゃんと見えるよ」
声は、優しい口調で私を導く。声の通りにして私は落ち着くと、見えた。と言うより、浮かんできた。黒い、人のシルエットの様な。だけど人と言うにはあまりにも小さい。まあその人っぽいものが脳に浮かんで、私に語る。
「ハローハロー。初めまして。僕はキミが望んでいるモノだよ」
——私が、望んでいる。
睡眠だろうか。それとも世界を滅亡する力を持っている何かだろうか。私は考えるが、思い浮かぶものはない。さっき私が考えていた事も思い出そうと頑張ってみるが、どうやら私はそこまで記憶力がよくなかった。
夢の様な出来事に、頭が混乱するのも仕方ない。……夢。私が望んでいるもの。
「大正解。ぴんぽーん。キミが望む通り、僕は夢。キミが望んだ通りになった。キミは僕に依存していいんだ。いいんだよ」
何だか、ふわふわな気持ちになる。やはり、睡眠とか夢とか、そう言う意識がないのは幸せだ。眠くなって私は目を閉じる。
「キミがそれをクリアしてくれたら——の話なんだけど」
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