PR
二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ボカロ】夢に惑わされて、【人柱アリス】 ( No.8 )
- 日時: 2011/08/22 16:55
- 名前: 蟻 ◆v9jt8.IUtE (ID: V9u1HFiP)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode
茶色のショートヘア。勇ましく、綺麗な顔立ちに芯の通った茶色の瞳。背筋は伸びていて、身長が高い。そして誰より——自身の正義を通す。それが、アリス候補のメイコ=S=ブルーム。
メイコは街から買い物を終えて、たった今、家に戻った。ポストの中に何か入っているのかとメイコは手を入れて調べる。メイコが何かを掴んでポストから手を出すと、メイコの手には一通の手紙が在った。
宛ては『親愛なるスペードのアリスへ』と書かれている。どういう事なのか、とメイコは首を傾げながら家の中へと入った。
そして、玄関で手紙を開く。中には、赤いスペードが描かれているカードと小さい剣のレプリカ。カードにあるスペードの下には、文章が書かれていた。
————メイコ=S=ブルーム様へ。と始まり、不可思議な内容の文章がそこに書かれていた。
アリス候補に選ばれた貴女を招待します。手紙に同封しておいた、スペードを持って不思議の国へとおいで下さい。森を抜ければ、きっと見える筈です——と。
メイコはその文章を見て、怪訝な顔をする。それはそうだ。いつに、どこの森に行けばいいのかが分からない。そして、可笑しな点が一つ。人間の世界では在り得ないアリス。その候補。脳がそれを受け付けないのは当たり前の事だ。不思議の国も、その主役のアリスも、この世界に実在などしていないのだから。
メイコはその招待状を見て、それをすぐゴミ箱に捨てる。
「在り得ない、わよね」
悲しそうに、そう呟いた。
PR