二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 君が教えてくれたこと〜思い出というキーワード〜 ( No.16 )
日時: 2011/08/11 00:30
名前: 宇野沢千尋 ◆pcUHgqcj4Y (ID: SkGQb50P)

—記憶—

「涙…」

俺と三橋は声をそろえて言った。





その日の夜、
久しぶりに泉からメールがとどいた。

明日、田島のお見舞いに行くとの事。


西広を始め、
俺達は少しずつと、勇気を出すようになった。




翌日。
西広病院へ行き、田島の病室に入った。

すると…



「久しぶり…」


そこには、水谷と泉の姿があった。


「俺も…来てみたよ…。」

水谷が、顔と目を少し赤らめて言った。


今日は、三橋がきていないようだった。
なんせ三橋は、隣県に住む中学生だから、
こっちに来るのも大変なのだ。


「悠一郎…まだ寝てるの…?」

「うん。」

田島は顔を布団で隠して
眠っていた。

田島の事はもちろん心配。
だけど、昨日のオキも西広の事も頭がいっぱいだった。

「辰太郎くん…大丈夫…かな」

俺がそう小さい声で呟くと、
田島が《バサッ》と布団を大きく
振りはがし、

「辰太郎…って…西広辰太郎…!?」

っと、目を大きく開き聞いてきた。

俺は、ちょっとびっくりしたけど、
うんと首を縦に振った。

すると、

田島は、人が変わったかのように、
俺に飛びついて来た。



「辰太郎は…辰太郎は何処…!?」


かなり興奮している様子だった。


そして田島はまつばづえをついて、
部屋を出て行った。



そして、
部屋の外から聞こえた声。






「辰太郎…俺だよ…カズトシだよ…。」



確かに、田島の声だった。




オキカズトシの記憶の田島は
完璧にオキの記憶になったそうだ。


西広もびっくりしていたみたいだけど、
強く強く抱きしめてこう言った。

「俺…絶対カズトシの体…治してあげるから」

と。


その時、
俺の携帯に
1本の電話がとどいた。

電話に出てみると、
電話の相手は、三橋だった。

「廉くん…どうかした?」

「オキくんが…カズトシくんの指が…動いたんっだ…!!!」

俺は急いでその事を皆に伝えた。


「もしかして…俺が元に戻る日が来るのが…そんなに遠くないって事なのかな…!?」

オキの記憶の田島は、
西広に強く言った。






そして…







「俺…自分に会いたい。」




オキのこのコトバで

新たな新展開がはじまるのだった。