二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 幻月の下に唄う ーイナズマイレブンー ( No.116 )
- 日時: 2011/11/01 19:33
- 名前: 天音 (ID: P/D0CuiW)
(11) 僕らの事情。
「……眠いんだけど。……帰っていい?」
「いいわけあるか!!オレらがどれだけ頑張って探したと思ってんだぁ!!」
「芽吹は何もしてないでしょ。いるだけ無駄だったじゃん。」
一夜明けて鏡花学園サッカーグラウンド。
奏始が消えた直後に現れた美空と海に沢山の謎の残るまま無理に部屋に戻された昨晩。理由は“今日の予定だった練習試合を明日の朝”ーーーーつまり今から行うからだった。
「……まぁ、とりあえず結祈と奏始は謝ろうか。」
キャプテンの美空が大きなあくびをしていた結祈と必死に睡魔と戦っている奏始に微笑みかける。
その瞬間、二人の顔が一気に青ざめた。
しかしそんな些細なことなど気にかけず優しい微笑みを満面の笑みに変え美空が言葉を放つ。
「昨日二人が見つからないから、雷門の人にも迷惑がかかったんだ。ほらーーーー土下座は?」
「美空……マジで?」
「今更冗談なんてないよ?結祈。」
「土下座って……やりすぎだろ……」
「ん?じゃあ奏始はゴスロリ着てあの女子の大群に投げ込まれる?」
ぎゃあぎゃあ喚く二人とグランド外にいる
女子を指さして微笑む美空、ちょうど部室から出てきた彩世の手にはどうしてかゴスロリが一着。
女子の群れから上がった黄色い声を恨めしそうに耳を塞ぎ遮断すると奏始は何かを呟き結祈は更に顔を青くした。
「美空さんの言う土下座はただの土下座じゃないですから……。」
その様子を遠巻きに見ていた円堂達の横で
優真が呟き、成希が小さく笑う。
「……まぁ、頑張ってください。雷門の皆さん。鏡花の二年生はーーーー化け物ですから。」
成希が堂々と宣言するのと、遠方の女子の黄色い声が重なった。
「“夢幻の歌姫”……ねぇ。」
校舎の屋上からグランドを見下ろす一人の少年。
「覗き見なんて悪趣味ね……まぁ、相変わらずだけれど。」
「うるせぇよ、永恋。黙ってろって。」
後方から聞こえる呆れ声と視界にちらつく橙色の髪の主を軽くあしらい少年は変わらずにグランドを眺める。
「さぁ、楽しいカーニバルの始まりだ……!!」