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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 幻月の下に唄う ーイナズマイレブンー ( No.143 )
- 日時: 2011/11/10 16:01
- 名前: 天音 (ID: P/D0CuiW)
(13) 傍観者、
「しかし、まぁよくこの程度で日本一なんてなれたよなぁ……。」
「……誓許、それ言ったら駄目だから。」
「でもさぁ……あんなチームぐらいオレと永恋で潰せるだろ?」
「まぁ……それには同意するわね。」
相変わらず校舎の屋上から試合風景を眺めている二人。
前半開始から約四分、得点板の数字はまだ変動せず0-0のままだった。しかしそれはあくまでも“得点”だけを見た結果であり実際の状況はーーーー
「……絶対あの野郎共真面目にやってないよな。」
「いいじゃない、どちらにしろ鏡花の方が優勢だもの。」
ーーーーがぜん鏡花学園が押していた。
「つーか、唯一の敵があそこまでザコとは……つまらないにも限度があるよなー……。」
「……分かったから、うだうだ言ってないできちんと見ておきなさいよ?」
永恋の言葉対し面倒くさそうに“りょーかい”と気の抜けた返事をすると誓許は再度グランドへと目線を落としたのだった。
「これが……鏡花学園のサッカーですか。」
一方グランド付近、とは言えど数十メートル程離れた場所におかれたベンチに座り少女が呟く。
ベンチの横に置かれた大きな鞄、明らかに鏡花のものではない制服、手に持っている“転入手続き”と書かれた書類。
おそらく転入生であろうこの少女は明るい金色の瞳でしばらく試合の様子を見ていたが、ふと何かを思い出したように立ち上がると“寮は……どこでしょうか。”と呟いて足早にその場を離れる。
それとほぼ同時に腰まである黒い髪が風を受けふわりとゆれた。
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