二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 幻月の下に唄う ーイナズマイレブンー ( No.157 )
日時: 2011/11/14 18:33
名前: 天音 (ID: P/D0CuiW)

(14) 停止する時間流

 「これで一点……後四点……かぁ。」

奏始の周りを取り巻く時計盤を眺めながら結祈は呟く。

「まぁ……いけるかな?」







 「DFラインを固めろぉ!!」

円堂が大声で叫ぶ。自身も腰を落とし必殺技の発動に備えるのだがふとあることに気が付いた。

「「「「!?」」」」

どうやら数人もそのことに気が付いたようで驚きの表情を浮かべている。

「はい、後四点ね?奏始。」
「知ってるから!プレッシャーかけるなよ。」

先程まで怪しい光を放っていた時計盤が消え、10番を背負っているキャプテンの美空と言葉を交わしている奏始。
ボールはどこにも見当たらなく戸惑う雷門陣に対し笑顔を見せる鏡花陣営。












「!?、円堂!上だッ!!」

おかしな空気の中に塔子の鋭い声が響いた。
円堂が反応し上を見上げる、が。

「ご、ごーる……?」

シュートの勢いで作られた風を感じた刹那の出来事。すでにボールは異常な程のパワーでゴールに突き刺さっていたのだ。

驚きと戸惑いを隠せない雷門の前で奏始が薄く笑う。

「<<時間流内事故>>(タイムパラドックス)。……あと四点、止められるか?」

意地悪くそう円堂に問いかけると自分のポジションへと足を進める奏始。そんな彼の背を見てふと円堂はある言葉を思い出した。

<鏡花の二年はーーーー化け物ですから。>

視界の隅で成希が微笑んだ気がした。