二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 幻月の下に唄う ーイナズマイレブンー ( No.23 )
日時: 2011/08/29 13:05
名前: 宙詩 風梨 (ID: P/D0CuiW)

(7) 詳細不明

 「……MFとDF?……FWじゃなくて?」
夏未が怪訝そうに言う。
「エースストライカーを追い出しておいて全くデータの無いMFとDFをスカウトしに行くのか?」
鬼道もそれに続く。
データの無いーー春菜がいくら調べても名前と所属中学以外の情報が一つとして出て来ないのだ。

 今日の昼食時、瞳子監督が全員の前でこう告げた。
“青森県、鏡花学園サッカー部のMFとDFをスカウトしに行く。”と。
出発は今から三十分後の三時半。
各自準備して残り時間は休憩していろ、とのことだった。

 「それにしても……これだけ調べてもデータが無いっておかしくありませんか?」
春菜がキーボードを叩きながら呟く。
たしかにな、と風丸も同意した。
パソコンの画面に映るのはどのサイトで調べても名前と所属中学のみ。
サイトによったら名前すら出ないのも少なくは無かった。

 「……隠れた人材なのか、何かの間違いか……どっちかだろうな。」
「でも、行くからには前者であってもらわないと困るだろ?」
ぽつりと呟く一ノ瀬と苦笑しながら答える土門。

そんな若干暗い空気に耐えられなかったのか。
それとも、ただ単に空気が読めていないのか。

「大丈夫だって!きっとすごい奴らだろ?そんなのとサッカー出来るなんて楽しみじゃないか!!」
明るく言う円堂。
周囲の反応は、苦笑い、ため息等色々あるが全員の頭の中で“サッカーバカ”という文
字が流れているのは共通しているだろう。

 そんな中、話の輪から少し外れたところで搭子が頭を抱えていたことは誰も知らない。

「“結祈”と“奏始”……どっかで聞いたことあるんだよなぁ……」