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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 幻月の下に唄う ーイナズマイレブンー ( No.250 )
- 日時: 2011/12/09 22:29
- 名前: 天音 (ID: P/D0CuiW)
(10) 知らないという事実を
銀色の髪が風にざわめく。
空色の瞳が揺らぐ。
「ボクのこと……知ってる?」
小さく小さく呟いた流戯。
肩に止まった縁が落ち着きなさげに鳴き始める。
「……流戯君でしょう?それがどうしたの?」
黒い髪が揺らりゆれる。
相対的に笑顔は全く揺らがず少年を見下ろし黒い瞳を細めた。
同時に彼女の近くに立ち流戯の様子を見ていた奏始の脳裏を何かがよぎる。
「悪いけど私これから職員会議があるのよねぇ……だからそろそろ失礼するわね?」
くるりと踵を返し流戯達に背を向ける。
嫌な音を立てて閉まっていく扉に向かい結祈が呟いた。
「……嘘つき。」
と、泣きそうな顔で。
「……ねぇ奏始。」
「なんだよ。」
出雲が去り、永恋や流戯も姿を消した。
つまり残ったのは二人のみ。
短い会話をしながらフィールドを見下ろすと黄色を基調とした雷門のユニフォームと藍色を基調とした鏡花のユニフォームがちらちらと揺れていた。
「あの子……知ってる?」
「……銀髪の?」
少し間を置き返ってきた答えに結祈は力無く頷く。
縦に首をふった結祈に対し横に首をふる奏始。“知らない”とのことだろう。
そして話を変えるように結祈の方へ顔を向け、言う。
「お前どうするんだよ、昨日の夜あれだけ雷門を覚悟がどうとか言っておいて、
仲間にして欲しいとか思ってんだろ。」
先程とは打って変わった様子でにやりと奏始が笑い、結祈は困ったように笑う。
「……だってさすがにこれは酷いもん。」
なんにせよ、と繋ぐが先は風音に消され聞こえない。
「流戯……いや、奏始が可哀想だよ。」
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