二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 幻月の下に唄う ーイナズマイレブンー ( No.280 )
日時: 2011/12/26 08:38
名前: 天音 (ID: P/D0CuiW)

[交] 〜表は裏で 裏は闇へと紡ぐ〜

(箸休め) 少女と薬と異常な少年。
 


 「いつも異常なまでに車酔してるのになんでキャラバンに参加したのかなぁ……。馬鹿なの?ねぇ馬鹿なの?」
「……。」

河川敷の土手に腰を降ろし頭を抑える奏始。頭上高くに広がる青空に負けないほど真っ青な顔に死んだような赤い目、呼吸もおぼつかないという最悪の状況下。


まぁこれまでの経緯を簡単に説明すると、

鏡花を出発してから数分後、奏始の顔色が悪くなり瞬く間に状況は悪化。
酔い止めを飲むも遂には酸素欠乏のような症状を引き起こし心配した監督らのはからいにより昼食も兼ね彼の回復のためキャラバンを芝生の生い茂る河川敷に停車させたのだ。



「基本雷門の移動手段は車。……先が思いやられるよ。」

座り込んだ彼を見下ろし、結祈が肩をすくめる。左手には水の入ったペットボトルと白い文字でレタリングされた“酔い止め”が目に眩しい小さい箱。

広場のような場所でテーブルを囲む雷門イレブンを遠目に少女がふと“奏始って絶対食費より薬の方が金かかってるな、”などと思っていたことにはあえて触れず。

「……キャラバンに参加してる間、果たして僕は何回薬局に走ればいいんだろうか。」

先程キャラバンの中にあった酔い止め。
開封したばかりにも関わらず既に三分の二程度無くなったそれを見つめる少女の呟きは少年の顔色同様の青い空に響くことなく消えた。


+

ただ単に奏始は乗り物に弱いということを書きたかった。
題名の(少女と薬と異常な少年)をリア友に教えたところ「え!?奏始って薬物依存症なのっ!?」って言われました。^p^