二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 幻月の下に唄う ーイナズマイレブンー ( No.286 )
日時: 2011/12/30 16:43
名前: 天音 (ID: P/D0CuiW)
参照: シリアス短編が書きたい。もっと言ったら死ネタが書きたi((ry

(1) 面倒なクイズ

 「大丈夫なのか……?天咲の奴。」

食器を並べつつ風丸が土手を見上げる。
座り込み、頭を抑える少年とその隣で呆れ顔を見せている少女。

「あそこまで酷いとただの乗り物酔いって言えないですよね……。」

紺色のショートヘアに赤い眼鏡が映えるマネージャー、音無が風丸に続く。
うんうん、と同意の声が四方から聞こえたところやはり皆同じことを思っていたのだろう。

「にしても……何であの二人あんなに仲良いのかな?」

秋がコップにお茶を注ぎながら言う。
確かに、と反応した鬼道と塔子。

そして、












「もしかして……付き合ってたりするんですかね?」

ポツリとこぼした春菜の意見は綺麗に無視され、そよ風に流されていったのだ。












 「あははははは!!え、何それ本気?僕が?奏始と?」

お茶の入ったコップ片手に机に突っ伏し大きく笑う結祈。そしてその隣の席で何とも言えない表情でもそもそとサンドイッチを食べ進める奏始。

「なんか俺達二人そうやって見られてたなんて……心外だな。」
「ちょ、どういうこと今の。」
「そのままだよ。お前の彼氏なる奴とかそうとう頭が、」
「それ以上言ったら僕もう酔い止め薬の世話しないからね?」
「……ごめんなさい。」

ぽかんとする雷門陣を横目に展開されていく二人の会話。
奏始の車酔いがだいぶ引き、それじゃあ昼食を、と食べ始めた瞬間。恐れもなにもなく、ただ好奇心という時には命取りにもなりかねないものに誘われ春菜が聞いたのだ。

「あ、神原さんと天咲さんて付き合ってたりするんですか?」

と。そこから数秒。

重く、を通り越して固まった空気のなかに場違いな笑い声が響いたのだった。







そして今に至る。

「あー、まぁ音無が間違えるのも仕方ないと思うよ?」
「今までもそう言う奴いたからなぁ……。」

へらへらと笑いながら、何かを思い出すように、二人は言う。
一気に柔らかくなった空気の中で一安心とでも言うように幾つか溜め息の音がこぼれた。

「じゃあお前ら何か関係あるのか?ただの同級生にしては仲良さ過ぎると思うのだが。」

鬼道の問うたことは正に妥当なことで総員が頷く。
そのまま答えを聞こうと二人を見るが返ってきたのは最も面倒極まりない言葉。


「「気になるなら当ててごらんよ/みろよ。」」

河川敷を渡るそよ風がゆらりと二人の髪を揺らした。